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XYZの思い出

以前、告知させて頂いた様に明日はお客様の結婚式に出席する為、

芦屋日記はお休みとさせて頂きます。

そこで今日はこのお客様との思い出を少し。

明日の結婚式、実は新婦様が芦屋日記のお客様なんです。

この方が芦屋日記に初めていらっしゃって下さったのは11年ほど前でした。

当時、僕は芦屋日記の店長なりたてホヤホヤ位だったでしょうか。

1時を過ぎた辺りに女性お一人様のお客様が。

「いらっしゃいませ。御注文は如何致しましょう?」

「XYZを下さい」

「かしこまりました」

そんなスタンダードなやり取りがこのお客様との初めての出逢いでした。

芦屋日記のカクテルはフリーハンドで創られます。

それは厳しくて優しい師匠の考えで、四面四角のレシピでなく、スタンダードでも

そのお客様に合っものをお出しできる様にしなさいとの教えの現れです。

僕はその時の感覚で「このお客様は甘いものが苦手だろうな。」

と、思い少しドライ目のXYZを創りました。

「お味は如何ですか?」   「うん!美味しいですよ!」

そんなやり取りをしていく中で、僕の思った通りこのお客様は甘いものが苦手で、

お菓子なんかも自らは食べないと伺い、「やっぱりね!!」と、思ってました。

それからこのお客様は月に1,2度遅めのお時間に来て下さり、まずはXYZから!! 


って感じのお客様となりました。

それから数年後、このお客様の行きつけのお店が閉店する事となり、

芦屋日記にいらっしゃって頂ける回数が増えました。

「今日は如何致しましょう?」


(その頃は常にXYZスタートではなくなっていました。)


「う~ん。。。今日はXYZ。を、甘い目でお願いします!!」


「あれ?○○さん。甘いもの苦手じゃないんですか?」

「違うねん。(←これはこのお客様の口癖です!!)


私がXYZを頼む時は珍しく甘いものを口にしたい時にお願いするの!!」


僕はその時ドキッとしました。 


「では、今までのXYZってドライ過ぎたのじゃあ。。。」



「うん。そう。」


そこで少し甘めのXYZを。。。


「そうそう!こんな感じが好き!これが最初から出てきてたら週に1回は来てた!」


勿論、「だって甘いのが苦手って言ってましたやん。。。」などは言いません。


自分の直感を鵜呑みにしすぎ、お客様の少しのお話しから 


早合点した僕の致命的なミスです。


このお話し以降、バーテンダーとして少し成長した気がします。

明日、御結婚される幸せ一杯のお二人様。末永くお幸せに成られる事を心より願います。

くさのっち

#カクテル

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