山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。
今月のお題は、「マノックモア」である。
オフィシャルボトルのブラックウイスキーが有名ではあるが、それ以外にオフィシャルボトルとしては花と動物シリーズやレアモルトがあるのみだ。
そんなマイナーな蒸留所であるが、過去のテイスティングノートを見ると、SMWSの64.10、64.15が見つかった。印象をまとめるとバーボン樽の個性や酸味、甘みを感じているようだ。
今回の5本にそれが感じられるかどうか、興味深いところである。
さて、今月のモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] オールドモルトカスク マノックモア one/288 1991-2009 18年 50% ***
(香り) トップノートはたいへん上品な香り。しだいに香りは開き、トロピカルフルーツが出てくる。軽いミントの香りと、酸味。かすかに麦芽風味。
(味) フルーティではあるが意外にドライ。加水すればドライな印象が無くなり、フルーティ、アンド、フルーティ。非常に明るい印象だ。
*** [No.2] エクスクルーシブモルト マノックモア cask no.6600 one/234 1992 16年 53.8% ***
(香り) 香りの立ちが遅い。しだいにミントの香りと甘い香りが立つ。
さらに時間をおけば、まったりとした香りとなる。キャラメルの香りが感じられる、バーボン樽熟成か。さらに時間を経るとカルピスの香りも出てくる。
(味) トロピカルフルーツの味わい、フルーティーではあるがドライだ。しだいに濃い葡萄の含み香も。味にうまみを感じる。
*** [No.3] ジェームスマッカーサー マノックモア cask no.2755 1990-2001 59.8% ***
(香り) フルーティーとミントがバランスしている。ミントの香りは、たいへん優しいものだ。注意深くすると奥に熟成香がある。しだいにまったりとした香りに変化してくる。
(味) フルーティさが心地よい。ただしドライで甘みが少ない。しだいにうまみ成分が広がり、味わい深いモルトとなる。
さらに爽やかなフルーツから、深い香りのトロピカルフルーツに変化する。
*** [No.4] レアモルト マノックモア 1974-1977 22年 60.1% ***
(香り) わずかなピートを感じる。次に酸味を感じさせる香り。アルコール感はたいへん強い。しだいにフルーティーさが開いてくる
。
(味) かすかにウッディーな味わい、熟成からくるものか。さらに上質なフルーツが広がる、口に含んだ旨みも心地よい。香りより味に素晴らしさを感じるモルトだ。
*** [No.5] マキロップチョイス マノックモア cask no.3696 1984-1999 60.7% ***
(香り) トップノートはシェリー樽の香り。たいへんトースティーだ。くどいと感じるぎりぎりのところでとどまっている。
(味) シェリー樽由来の味わい。やはりトースティー、味もやはり嫌味になる一歩手前で踏みとどまっている。
シェリーだけで終わらない、複雑な含み香がある。
#Tasting Note