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コニサーズクラブ(2010/8/22)テーマ「アードベッグ」

ARDBEG(10/08/22)山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。

 今月のお題は、「アードベッグ」である。

 2007年7月のお題もアードベッグであったが、テイスティングノートの書き出しはこうだ。

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 アードベッグといえば、アイラモルトのなかでも特にピートを焚いたモルトであり、かつてはそのハードさを売りとしていた。
 しかしビッグネームでありながら、湿気っぽい、かび臭い、熟成感が無いなど仲間内では、それほどよい評価が得られていない蒸留所でもあった。
今回5本のテイスティング後、ピートが効いていながら穏やかな利かせ方で、枯れたピートを楽むことのできる大人のアイラという印象をもった。
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 そして今回5本をテイスティングしてみると、上の前半の芳しくない印象が再度出てきてしまうのである。どこか湿気っぽい、かび臭い、暗い、どこか異質な。そんなマイナーなコメントが出てきてしまったのだ。
 シェリーの良い面、悪い面も強くでており、ピートとシェリーの使い方の難しさを再認識した次第だ。

さて、今月のモルト5本を紹介しよう

*** [No.1] ダンビーガン アードベッグ 794/800 1994 15年 48% ***

(香り) トップノートは酸味とミント。たいへん上品な香り、かすかにピートを感じる。しだいにピート香は強さを増してくる。

(味)  強いピート、多少の酸味があり飲みやすくしている。ややドライ。味の数は多くない。

*** [No.2] オールドモルトカスク アードベッグ ラムカスク 1/334 1991-2007 16年 55% ***

(香り) オイルにまみれた工作機械の香り、独特の香りだ。まったりとして重い。ラム酒の香り。奥にはエレガントな香りもあるが、焦げたゴムの香りにかき消される。

(味)  やはりオイルにまみれた工作機械の香りである。ラム酒の味わい、たいへんドライ。
(もちろんテイスティングノートはブラインドテイストである)

*** [No.3] SMWS 33.73 アードベッグ シェリーゴーダ ファーストフィル 1/782 10年 57.8% ***

(香り) まったりとして、深い香り。キャラメルの香りも。しだいに汗臭い、あるいは酸化した、そんなマイナーな印象が深まる。泡盛の香りも。
 ピート香は時間ととも強くなる。

(味)  やはりまったりと深い味わい。強いピート。きわめてトースティーで特殊な味。
 シェリーの個性。湿気たフィニッシュ。

*** [No.4] テイストスティルコレクション アードベッグ cask.no.2900 1/271 1990-2006 58.6% ***

(香り) トップノートはエレガントでミントの香り。しだいにまったりと濃い香りになる。ピートは時間とともに強くなってくる。
 シェリー樽由来の硫黄の香りが強い、強いピートとシェリーが反発しているようである。

(味)  湿気た味わい。やはりピートとシェリーの取り合わせがうまく行っていないようだ。

*** [No.5] イアンマクロード アードベッグ cask no.115 1999-2009 10年 58.7% ***

(香り) 香りの立ちが遅い、軽いピート香。しだいにふくよかな香りが立ってくる、それでいながらエレガントである。
 しだいにピートが強くなるとともに、華やかな香りが出てくる。

(味)  とてもシャープなピート。クレオソートの香りも強い、典型的なアイラモルトである。味の数は多くない。


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