山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。
今月のお題は、「グレングラント」である。
グレングラントといえば、色の濃いモルトで有名である。もちろんシェリー樽熟成のモルトであるが、焦げたゴム、硫黄臭は控えめであり、すばらしい熟成を示すものが多い。
今回テイスティングした5本でも濃い色のモルトが2本登場したが、一方他の3本は軽いピートをともないながら、たいへんフルーティでスペイサイドモルトの典型といってもいいモルトであった。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] ダンカンテイラー ザ オクタブ グレングラント 1/70 cask no.445800 1974-2010 35年 50.5% ***
(香り) トップノートはエレガント。しだいにさわやかにミントの香りが立ってくる。酸味も適度で、甘さとバランスしている。軽いピートのような香りがするが、非常にわずかなものである。
たいへんフルーティで上品。
(味) きわめてフルーティである、それもたいへん上質なフルーツ。しばらくするとうまみを感じられるようになる。
そして熟成感は時を経てようやく登場する。あじわいはたいへん複雑。
*** [No.2] ブラッドノック フォーラム グレングラント 41/206 1980-2009 28年 52.2% ***
(香り) 濃い香り、香りの立ちも早い。キャラメル香と心地よいエステリーな香り、バーボンカスクか、またはアメリカンオークの新樽か。軽いピートをともなう。
(味) フルーティ アンド フルーティ。しかし心地よい渋味も感じる。味の数は多い。うまみを感じながらのフィニッシュ。
*** [No.3] マーレイマクディビッド グレングラント ミッションゴールド バーボンカスク 1985-2007 21年 57.9% ***
(香り) トップノートはエステリー。まったりして濃い香り、新樽熟成か。ピートをかすかに感じることがある。
しだいにさわやかな印象に変わってくる、温度変化によるものか。
(味) まず若さを感じる、アルコール感も強い、もうすこしの熟成がほしい。しだいにフルーティーな印象に変わってくる。軽いピートも感じられる。うまみがしっかり感じられるモルトだ。
*** [No.4] ダンカンテイラー グレングラント 91/285 cask no.44541 1987 22年 56.0% ***
(香り) キャラメルの香りが強い、ラム酒の香りも。こってりと濃厚な香りだ。トースティな香りにマスクされているが、ウッディな熟成香が感じられる。シガーの香りも、軽いピートをともなう。
(味) たいへんトースティである。典型的なシェリーカスクの個性。湿気くさい含み香。心地よい渋味が感じられる。
*** [No.5] SMWS(スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ)No. 9.40 グレングラント 1972-2006 33年 52.4% ***
(香り) 有機溶剤の香り、とてもエステリー。バーボン樽、あるいはアメリカンオークの新樽による熟成か。スィートな香りが心地よい。香りの数はたいへん多い。
(味) とてもフルーティー、あんずの香りが立つ。味は濃いがドライに感じる。複雑なにがみが長期熟成を感じさせる。かすかにウッディ。
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#Tasting Note