山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。
今月のお題は、「宮城峡」である。
ジャパニーズモルトでまだお題になっていない蒸留所、それが宮城峡であった。それだけに満を持してのモルトが揃っていたのではないだろうか。
飲み進めていくと、どれもなかなかレベルが高くて、バラエティに富んでいる。リベット、ロングモーン、ハイランドパークの名前が思い浮かぶが、やはりどれも当てはまらない。となると山崎あたりの名前が頭に思いに浮かぶ、No.1、No.4あたりにはミズナラっぽい個性もある。
しかしそうではないとのことだ、そして最後に残ったのが宮城峡というわけだ。余市にはミズナラ樽が存在するとのことだから、宮城峡にあってもおかしくは無い。どれもレベルの高いモルトであって、いまさらながら日本の蒸留所の技術に驚くばかりだ。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] オフィシャルボトル 宮城峡 1988 20年 50% ***
(香り) トップノートはフルーティー、アンド、フルーティー、たいへん色鮮やか。酸味がピリッとアクセントに。じつにエレガントである、軽くミントの香りも。
(味) まずフルーティーに感じるが、しだいに熟成由来のウッディーが立ってくる。ミズナラ樽の個性も、実に旨いモルトである。
*** [No.2] オフィシャルボトル 宮城峡 70th アニバーサリー 12年 58% ***
(香り) フルーティーに香るが深みもある。ややシェリー樽の個性も、ただしシェリーのいやみはいっさい無い。スイートで素晴らしい香り、しだいにややトースティー。
(味) エレガントでフルーティー。にがみも心地よい、ウッディーな個性も。やさしい甘味。
*** [No.3] オフィシャルボトル 宮城峡 cask no C08645 1989-2006 58% ***
(香り) しょう油の香り。えぐみ。ドライな香りで甘味が感じられない。紹興酒の香り、奥にはエレガントな香りもあるが、紹興酒風味に消されている。
(味) やはりしょう油風味。ドライ。
*** [No.4] SMWS(スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ)No.124.1 宮城峡 1985-2005 17年 59.4% ***
(香り) ほのかに甘くスイート、かつフルーティー、リフィルシェリー樽か。深みのある香りが素晴らしく、幸せな気分にさせてくれる。エレガントな酸味も素晴らしい。しだいにバニラ香も。
(味) アルコール感は強い、フルーティーかつ酸味がきいてバランスが良い。ほどよく熟成感が感じられ、非常によくできたモルト。
*** [No.5] オフィシャルボトル 宮城峡 cask no 80283 1986-2008 63% ***
(香り) リフィルシェリー樽の個性、ピートの香りが全体を引き締めている。大変濃い香りでまったりとしている。
(味) ピートとフルーツ。ブローラとは違うピートとフルーツだ。しだいにシャープな印象になり、ウッディーな味わいもでてくる。バニラの含み香も。
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#Tasting Note