山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。
今月のお題は、「カリラ」である。
今回で何度目であろうか、そのくらいこの会には登場することが多い蒸留所である。
とにかくシャープなピートというイメージが強いが、今回はたいへんバラエティーに富んだ味わいのモルトであるとの印象を持った。
またこの会では世間の辛いという風評に反して、カリラを「甘い」という認識をもつメンバーが多いが、今回のモルトでは特に甘さを感じることは無かった。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] エクスクルーシブカスク カリラ cask no.4936 1980 28年 50.5% ***
(香り) 軽いピート香、さわやかにミントが香る。注意深くすれば麦芽風味を感じ取れる。しだいに香りは開いて鮮やかなフルーツと酸味が現れる。
(味) 中程度のピート、甘みが心地よい。様々なフルーツもピートの奥に感じられる。
*** [No.2] ラッドノック・フォーラム・メンバーズ カリラ ホッグスヘッド 1983 25年 52.7% ***
(香り) 爽やかさのミントと熟成のフルーツ。しだいに上品さは増してくる、さらにまったりとした乳酸飲料の香りも。
(味) フルーティではあるが、熟成由来の渋みが心地よい。程よいピートがフルーツとバランスしている。
*** [No.3] SMWS(スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ)No.53.103 カリラ 1993-2006 13年 60.7% ***
(香り) トップノートは強いピート、フェノールも強い。心地よい酸味がピートオンリーのモルトではないと感じさせる。
(味) アルコール感が強い、ピートも強く刺激的だ。ただし旨みが強く、ピートだけに終わらない。
*** [No.4] セレブレーション・オブ・ザ・カスク カリラ ホッグスヘッド 90/260 1981-2009 63.6% ***
(香り) アプリコット系のフルーツ香。しばらくすると、軽い熟成香が感じられるようになる。ただし香りは弱く、注意深くノージングしないといけない。安いキャラメルの香り。最後に軽いピート香。
(味) ドロップの含み香。香料。石鹸。パフューム。とにかく独特である。ボウモアとも違うパフュームだ。やや酸化した香り。
*** [No.5] SMWS(スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ)No53.130 カリラ one/301 9年 68.2% ***
(香り) 中程度のピート香。まったりとふくよかな香りも。酸味とキャラメル香。
(味) まず旨みを感じる。しかしピートが支配的である。ピートがなければ若さを感じることになるであろう。
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#Tasting Note