山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。
モルトの会、テイスティングノート
2008.12.21 スタンドバーにて
「余市」、日本を代表するモルトのひとつである。
山崎のモルトに較べると無骨で個性的なものが多く、洗練といった観点では一歩譲ると感じていた。
ところが今回の5本をテイスティングしてみて印象が変わったのである。実に綺麗で繊細、かつふくよかで深みのあるモルトと感じた。実力としてはまったく山崎に引けをとらない。
蒸留所のハウススタイルとして、無骨、ピート、濃厚なイメージで商品化していると考えるが、今後、繊細さ、複雑さを備えたモルトも商品化されていくのであろう。
また今回のボトリングの中にはミズナラ樽熟成を感じさせるモルトもあり、今後のリリースに目を離せない。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] SMWS(スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ)No.116.5 1986-2005 18年 50.5% ***
(香り) エレガントでエステリー。非常に上品で、香りの項目にマイナスの項目無し。しだいに軽いピート香がでてくる、さらにオレンジ香も。
奥にはクルミの香りも感じられる。さらに時間をおけば、甘いバニラ香が出現する。まったりとしてふくよかだ。
ライトからミディアムボディ。
(味) ウッディな熟成感が素晴らしい、酸味が心地よい。ピートも感じられるが角の取れたものである。
*** [No.2] ウイスキーマガジン エディターチョイス 余市 1985-2007 50.7% ***
(香り) 実に綺麗な香り、明るく鮮やか。爽やかな酸味。時間が経ると深みがでてくるが、軽い臭みも現れる。軽いピート香。さらにバタースカッチの香りも。
(味) まずピートである、鮮やかな酸味が心地よい、さらにフルーティー。ブローラの個性か。
*** [No.3] SMWS(スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ)No.116.12 1986-2008 21年 54.2% ***
(香り) ややヌカを感じるが、すぐさまスィートに変化する。酸味が心地よく、濃いフルーツがどんどん現れる。非常に深みのある香りだ。
(味) ピートが強い。酸味が心地よく、たいへん深みがある。ほどよく熟成しており、おだやかな味わい。うまみも感じられる。
*** [No.4] 余市 1987 オフィシャルボトル 20年 55% ***
(香り) 非常に綺麗でエレガント。しかも熟成由来のウッディさが素晴らしい。有機溶剤系のエステル香も爽やかで鮮やか。フルーツ香も申し分ない。
(味) まずウッディな含み香が広がる。酸味を感じたあと、様々なフルーツが次々と出てくる。しばらくすれば、バニラ香や熟成からくるにがみも感じられ、味の数は非常に多い。
ミズナラ樽の個性も感じられる。
*** [No.5] 余市 12年 オフィシャルボトル 70thアニバーサリー 58% ***
(香り) トップノートはエレガント。エステリーで深みがある。しばらくすればバニラの香りが立ってくる。シェリー樽熟成からバーボン樽熟成に変化してくる感じだ。
(味) アルコール感が強い、ただし熟成不足の印象は無い。渋味とフルーツの両立。軽いピート。一見単純ではあるが、味の数は少なくない。
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#Tasting Note