山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。
モルトの会、テイスティングノート
2008.7.22 スタンドバーにて
今月のお題は、「トバモリー」である。
アイランズモルトといえば、タリスカー、ハイランドパーク、アラン、ジュラ、スキャパなど、個性的でメジャーな蒸留所が数多くあるが、このトバモリー蒸留所は別格にマイナーではないだろうか。
オフィシャルボトルをテイスティングした時の記憶さえもほとんどない。参考までに2000年1月のテイスティングノートを紹介すれば「香り:ライト、味:ブレンデッドのよう」と散々である。
そんな影の薄い蒸留所ではあるが、今回の5本の印象からいえば、じつに多種の個性があることがテイスティングのメモでのコメント数の多いことから窺い知れる。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] オールドマスターズ トバモリー カスクストレングスコレクション 1993-2003 20年 56.5% ***
(香り) トップノートはエレガント、しだいにひねたヌカの香りが現れる。奥にはピート香も感じられる。
しばらくすると香りはライトになり、麦芽風味が感じられるようになる。
(味) かつてのボウモアを思わせる、パフューミーな化粧品香で満たされる。
*** [No.2] ウイスキーエクスチェンジ トバモリー 482/828 ホッグスヘッド 1995-2007 12年 56.9% ***
(香り) トップノートは爽やかでライト、ミントの香りがすがすがしい。しだいにひねてヌカっぽい香りが出てくる。さらにトースティーで焦げた香りさえ深まってくる。香りの変化が大きいモルトである。
(味) ドライで酸味をともなう。かすかにパフューミー。硬い感じの飲み口でやや若さを感じる。
*** [No.3] ジャパンインポート スピリットオブスコットランド レダイグ リフィルシェリーカスク 1990-2004 58.6% ***
(香り) まったりと深みのある香り、軽くキャラメル香が感じられる。ややアルコール感が強い。水あめの香りがあるが、若さからくるものか。
しだいに華やかな香りに変化するとともに、シェリー樽由来の焦げたゴムも感じられるようになる。
(味) こげたゴムの味わい、シェリー樽熟成の個性はあるが、甘くならずどちらかといえば辛い。
*** [No.4] シールダイグ cask no.5451 1974-2004 29年 51.3% ***
(香り) スィートでエレガント。フルーツの香りは非常に濃く、トロピカルフルーツに包まれる。しだいに香ばしい香りとウッディな熟成香が現れ、長熟であることがうかがえる。香りの数はたいへん多い。
(味) こげたゴムの個性はあるがシャープでフルーティー。非常にバランスが取れて、よくできたモルトといえるだろう。
*** [No.5] シグナトリー トバモリー シェリーホッグスヘッド 34/230 cask no.3221 1974-2005 30年 55.2% ***
(香り) 甘く砂糖水の香り。しばらくすれば金属っぽい香りが現れる。さらにヌカっぽく、トースティーでもある、シェリー樽の個性か。
(味) まず熟成を感じる、ウッディで渋みをともなう。さまざまな木の香りが感じられるが、上質な樽で熟成されたのであろう。味の数も多く、じつに味わい深い。
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