コツコツとオフィシャルボトルを買って平坦な道を地道に歩いている参段です。
さぁ今回は・・・まずは猫3匹目です。猫と言えばもちろんチャン太!ではありません・・・。スコッチモルトで猫と言えば勿論グレンタレットです。当店の”世界一の猫”はSMWS16・28(グレンタレット16年(1300円)と旧オフィシャルの12年(1000円)です。でもモルト入門するモルトビギナーの方には若干高いかも知れないので、最もお求め易い物を飲んで頂きたいので、現行のオフィシャル10年(800円)を仕入れました。薀蓄はあまり言わない方だと思うのですがこれで心おきなく猫に関する薀蓄を言えます。「グレンタレットのタウザーは23年11ヶ月の生涯で28899匹のネズミを・・・」嘘です(笑)程ほどに説明します。
そして次はトバモリー10年(800円)です。トバモリーと言えば・・・スコットランドのマル島と言う島で造られています。現在ではマル島で操業する蒸留所はトバモリーだけになってしまいましたが、北アイルランドよりウイスキーの蒸留技術が最初に渡って来た場所はここマル島と言う説もあります。かつてはレダイグ(安全な港)という名前であったトバモリー村に1795年に建てられました。ちなみにトバモリー蒸留所では別の銘柄名で”レダイグ”と言うモルトもボトリングしています。
トバモリーの麦芽はピートを炊き込んでいません。なのでトバモリーのモルトのピーティーさは水に由来するものであります。一方古いタイプのモルトと言われているレダイグは麦芽にしっかりとピートを炊き込んでいます。当店にもG&Mのレダイグ1990の9年物がありますので飲み比べてみても面白いと思います。現在はハイランドにある同じ所有者のバーン・スチュワート社のディーンストン蒸留所の熟成庫に運ばれ熟成されているらしいです。
そのバーン・スチュワート社つながりで次にご紹介するのはディーンストン12年(700円)です。ディーンストンと言えば・・・蒸留所の創業は1965年と新しいのですが、建物自体は1785年に建てられた紡績工場をそのまま利用したもので、それは歴史的にも重要な建築物となっているそうです。その歴史的建築物を設計した人はなんと!あのイギリスに産業革命をもたらした産業革命の父と言われているリチャード・アークライト(1732~1792)なのです。
味わいの方は、ハイランドモルトでありながらローランドモルトのようにライト・ボディでスムースです。ちなみに蒸留所の場所は南ハイランドに位置し、東のダンディーと西のグリーノックを結ぶハイランド、ローランド境界線に近い位置にあります。(境界線の事はウイスキーエキスパート試験の必須項目です。)それを調べていて気付いたのですが、境界線の近くにあるハイランドモルトは、ディーンストン然りグレンゴイン、タリバーディン、ロッホローモンド蒸留所のインチマリン、オールドロスデューらは全てハイランドモルトに分類されていますが、味わいの方はローランドモルトの特性を兼ね備えているという事です。う~んやっぱりローランドに近くなればモルトの特性もそれに近くなるのかなぁ。
う~んモルトは面白いですね。深いですね。興味津々ですね。また様々なモルトの個性をお楽しみ下さい。それでは、さよなら、さよなら、さよなら・・・(懐かしの淀川長冶さん風に締めくくってみました。)
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