先日「どっぷり昭和町」にお越し頂いた皆様誠にありがとうございました。また当店のシングルモルト試飲ブースにお立ち寄り頂いた皆様、お手伝いをして下さったウスケバの皆様本当にありがとうございました。おかげさまで当店のブースも賑わっていろんな方に試飲をして頂けました。モルトに馴染みのない方に少しでもモルトの事を知って頂きモルトに親しんで頂く事に寄与できたなら幸いだと思っております。
しかし、一つしてはいけない事をしてしまったと言う事をご報告し、お詫びしなければなければなりません。ご指摘を受けてからではいけない事は存分に承知の上ではございますがご試飲して頂いた方には誠に申し訳ない事をしたと反省しております。それは直射日光を受けて温かくなってしまったモルトを試飲して頂いてしまったという事。本来の素晴らしいモルトの味わいをご提供出来なかったという事。また職人の方が丹精を込めて造り上げたモルトを直射日光にさらしてしまったという事。モルトファンを増やしたいその一心で頑張って来た事がモルト本来の素晴らしい味わいをご提供出来なかった事により本末転倒な結果を招いてしまったとするならば、その事によりモルトに携わる方々、モルトを愛する方々に深くお詫びを申し上げなくてはなりません。
イベントの開催は１１時からで太陽が南中する少し前でした。手伝いに来てくれていたラフロイグ松谷に「おい！モルトが温かくなってるぞ！」と言われ自分で飲んでみると明らかに温かくなってしまっていて焦りました。新聞をかぶせたり、手で覆ったり、直射日光が当たらないように考えてはみましたがどれもそれを遮断する効果は無いまま試飲会を続行させなくてはならないという事になってしまいました。またその時はその状況を深刻に受け止める事が出来ていなかったのだと思います。
温かいモルトのままではいけないので氷を買ってきて、ロックにしてお出ししたり色々策を講じましたがどれも焼け石に水の処置でしかなかったかも知れません。直射日光を受けなくなったあたりからは温かさも無くなってはきましたが、万全のコンディションで無かった事は否めません。それからは安堵していましたが、そこで安堵してしまった自分自身のモルトに対する愛情の不足、品質管理に対する稚拙な考えを露呈する羽目となりました。本来ならもっと良いコンディションで御提供出来るように考えなければならなかったと猛省しております。
後日、試飲会でご提供したモルトの品質が気になってメーカーに問い合わせの電話を沢山かけさせて頂きその時の状況を説明しました。数時間だった事とアルコールの高い蒸留酒なので急激な品質劣化の心配は無いとの回答を頂きましたが、自らのモルト、お酒に対する愛情の足りなさに閉口しました。普段から回転の悪そうなボトルにパラフィルムを巻いたり、品質管理には神経を使っているつもりではいましたが、本質的な部分が欠落していたのかも知れません。
モルトの魅力に気付いてからずっとその魅力を一人でも多くの人に伝えたいそう思って参りました。去年はまだ店を構えていない一個人だったのですが、同じくどっぷり昭和町でシングルモルトの試飲ブースを出させて頂きました。去年は曇り空で直射日光は無くいいコンディションでモルトをご提供できました。それが今年もブースを出すにあたり万全の策を講ずる事に油断を生じさせてしまった一因であったかも知れません。また店の営業をしながら準備を進めていく中で、労力をイベント全体の事に費やす事が多く、自分のブースに関しての事は色々な事を想定して万全の策を講ずる事は出来ていなかった事は否めません。春の直射日光がこんなに強かったとは脳裏に無く、雨の対策ばかりに集中してしまっていました。この苦い経験を次に活かせるようにしなくてはいけないと思っております。
若い世代のウイスキー離れが取りざたされる昨今、微力ながらもモルトファン、ウイスキーファンを増やす事にこれからも尽力していきたいと思っております。またバーでお酒を飲む事の素晴らしさ、その文化をお伝えしたいとも思っております。
まだまだ至らぬ未熟者ではございますがこれからもどうぞよろしくお願い申し上げます。
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