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思い入れのあるウイスキー

 僕がウイスキーを飲み出したきっかけは落合信彦の本に出てきたワイルドターキーに憧れたからと言うありがちな動機である。初めはバーボンばかり飲んでいたのだがそのうちいろんなウイスキーに興味を持ち飲んでみたいと思うようになった。

 今から7年位前、当時23歳の僕は天王寺区内のあるディスカウントリカーショップで正社員として勤務していた。その当時僕は全くと言っていいほどお酒を飲まなかった。今でもお酒は強くない事は自認している。その会社に入る前に友達と居酒屋に行って生中一杯で千鳥足になり階段から転げ落ちたと言う武勇伝を持つ位の男である(笑)

 しかしお酒を販売する立場としてはその商品についてある程度の知識がなければならない。とにかくディスカウントのお酒屋さんは品揃えが豊富で種類が多い。「世界の銘酒辞典」を買って色々勉強した。ビール、日本酒、焼酎、ワイン、ウイスキーetcそれなりにかじったのだが実の所身についてはいないかも知れない・・(苦笑)ウイスキーだけには興味があった。ワイルドターキーが飲みたかったからだ。ワイルドターキー8年から飲み始め、色々なバーボン、日本のウイスキー、スコッチブレンデッドなどとにかく味もわからないくせに片っ端から飲んだ。その中ですごい印象的なウイスキーがあった。それが「ブラックボトル」である。

 酒屋の陳列棚に商品を並べていて、ひょうたん型の黒いボトルが妙に気になってはいた。しかしそのボトルの見てくれはどうも美味しそうなオーラを発してはいなかった。でも気になったので買って飲んでみる事にした。家に帰ってロックで飲んでみると 「!」 う~んなんか煙たい感じで子供の頃に家の近所でおっちゃんがよくしていた焚き火の匂いを思い出した。また親父の会社の近所にあるハム工場の匂いを思い出した。「何か今まで飲んだウイスキーとは違う変わった味やけど、個性があって美味しいなぁ」と感じていた。

 その当時僕はアイラモルトなんて言葉は知らなかったし、シングルモルトと言う言葉の意味さえいまいち理解していなかった。気になったので「ブラックボトル」について色々調べてみた。アイラモルトと言う物が7種類入っていてそこにグレーンウイスキーと言うのを混ぜたブレンデッドウイスキーで金賞を受賞したと言う事がわかった。しかしその言葉一つ一つの意味はわからなかったし、漠然としたイメージしか持てなかった。そこからアイラモルトって何?シングルモルトって何?グレーンウイスキーって何?ブレンデッドウイスキーって何?金賞って何の大会?など知識欲の赴くままに色々調べていった。そうしていくうちにシングルモルトの魅力に目覚めたんだと思う。思い返せば僕にとっては思い入れのあるウイスキーである。

 ブラックボトルとは1897年に紅茶のブレンド業を営んでいたグラハム3兄弟がそのノウハウを活かし作り上げたブレンデッドスコッチで稼動しているスコットランドのアイラ島の7蒸留所(ブナハーブン、カリラ、アードベック、ラガヴーリン、ラフロイグ、ボウモア、ブルイックラディ)のモルト原酒と、スペイサイドモルトのグレンロセス、それにグレーンウイスキーをブレンドしたスコッチブレンデッドウイスキー。2001年の英誌「ウイスキーマガジン」でBEST OF THE BEST ブレンデッド部門で並みいる競合を抑えて堂々の第一位を獲得した傑作。ウイスキー評論家のマイケルジャクソ(モルトビギナーの方の為に→ムーンウォークをするあの人ではないです(笑)は「ブレンデッドのスーパースター」と言って、ジム・マーレイは「素晴らしいウイスキー」と言って世界のウイスキー評論家達も絶賛した。本当に秀逸な逸品である。

 このブラックボトル(700円)を僕が深夜に頑張って削った丸氷(たまに楕円形あり(笑)を入れてロックにして、スモークチーズをかじりながら一緒に飲めば軽やかに心地よいアイラ島一周の旅へといざなってくれるはず。

 

#新入荷ボトル

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