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完熟リンゴと絶倫老紳士。

 新しくモルトを仕入れるにあたっては、店のコンセプト、僕の好みや味、お客様のご要望など色々な事を考えて仕入れるが、どうしてもアイラモルトだけが増えているような気がする。

 そこで今回は趣向を変えて違ったモルトを仕入れてみた。まずは僕の好みの一つであるフルーティなモルト。開店当初はフルーティ、フローラルなモルトは洋ナシのようなフレーバーのスキャパとモルトの香水と謳われるスプリングバンクに頼りきっていた。やはり女性が入り易いモルトはフルーティなモルトがいいのではないかと言う僕の考えからの品揃えである。

 女性にも受けそうなフルーティなモルト。しかもコンセプトに沿うモルト。それを考えていて入れるモルトを決定した。それは「グレンキース」スペイサイド・キース地区の特徴を持った完熟したリンゴと謳われる逸品。雑誌で読んだ事があるが神戸にこのキースの名を冠したバーがある。このモルトはシーバス・ブラザーズ社の所有でブレンデッド原酒に使われる為にオフィシャルのシングルモルトとしてボトリングは1994年から。流通量が少ないのか取り寄せをお願いしていたのだが入る予定は無いとの事で暇を見つけては酒屋を廻りずっとオフィシャルのグレンキースを探していた。ふとよった酒屋に陳列されていた。早速、買って帰り店に置く事に決定。フルーティな完熟リンゴをかじりたくなったらグレンキース(800円)をお試し下さい。

 そしてもう一つは僕の憧れの人でwhiskycat1494第一号のお客様WSJの太田さんに勧められた絶倫老紳士こと「オールドパー」。ご年配の方には思い入れの深い人が多いと思われる垂涎のブレンデッドスコッチ。「オールドパーが飲みたい」とおっしゃるご年配の方がやはり多数いらした。かなり遅れた仕入れになってしまったがやっと入荷しました。

 吉田茂や田中角栄などの政治家も多数愛飲していた格式あるボトル。ネーミングのモデルは152歳まで生きたトーマス・パーである。あまりこの行いはお勧めはできないが初婚は80歳で二人の子供をもうけ、105歳で不倫をして公衆の前で懺悔をさせられ、122歳で最初の妻と死別してすぐに再婚し一人の子供をもうけると言う常人の域をはるかに超越した絶倫ぶりである。それにあやかって愛飲している人が多かったと言う。また1873年に岩倉具視(昭和50年代位の五百円札の肖像の人物)率いる欧米視察団が帰国時に持ち帰り日本で最初に持ち込まれたウイスキーと言われていて日本にゆかりの深いウイスキーである。最近元気がなくて困っている方(笑)やトーマス・パーの絶倫ぶりにあやかりたい方は「オールドパー」(900円)を是非お試し下さい。

 そろそろモルト大好き様に色々教えて頂いているローズバンクを始めとするローランドモルトを仕入れて充実させたいなぁと思う今日この頃です。

#新入荷ボトル

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