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生駒ファミリー

whiskycat1494は貧弱な子猫である。しかもとても貧しい子猫である。いつも困窮と背中合わせの不安な日々を過ごしている。

 しかしその不安を払拭してくれる優しく素晴らしい人々が倒れそうな子猫を救ってくれる。昭和町の皆さん、ウスケバの皆さん、お世話をしてくれる取引先の皆さん。損得勘定なんて一切無しに支えてくれる。どれだけ頭を下げてもそのご恩に報いる事はできないだろう。励ましに顔を出してくれて普段はモルトを飲まないであろう人が「お勧めの何か頂戴!」と一言。僕は好みをお伺いしご提供する。ウスケバの方は遠路はるばるお越しになられていろんな話やアドバイスをくれる。(昨日はbrown様、新米一号様六時オープンで来て頂いたにも関わらず開店を1時間も遅らせてしまって申し訳ございませんでした。深くお詫びいたします。またウエイター様お祝いのボトルを贈って頂きまして大変ありごとうございました!)取引先の方にはかなり無理な事をお願いしたりもする。店の装飾のノベルティを頼んだり、卸の金額をかなり下げて頂いたり無茶やわがままばかり言っている本当に迷惑極まりない気ままなわがまま猫である。きれい事だけでは経営は成り立たない。しかしモルトファンを増やし皆様に納得してお越し頂き、満足して頂く為の苦労は全くいとわない。安価でご提供するコンセプトを絶対に貫徹したいので、少しでもいい条件で仕入れをしたい。その為なら自分に鞭を打って何だってする。早起きをして時間を作りいろんな酒屋を廻って、品揃えや値段をチェックしていると思わぬ所に探していた物や、掘り出し物に出会う。その時の嬉しさは筆舌に尽くしがたいものがある。そのリストを元に交渉をして取引先の人を困らせる。でも根負けして(毎度無理言ってすいません・・)応じて頂いている。本当にわがまま気ままな悪猫ですいません・・。
 
 小難しい事はわからないが、経営を維持していく為の知識を身につけていなければ店は潰れる。極論だが、いくらコンセプトだ何だと言えど100円で仕入れた物を110円で売っていてはどれだけお客様にいらして頂いても店は潰れる。それではいけないので原価率を計算して粗利を概算し、そこからランニングコストを見積もり損益分岐点をはじき出す。少ない脳みそを駆使して緻密に練り上げた(はず・・)もので現状である。本当にカツカツで一歩間違えば経営不振と言う背水の陣である。
 
 そのクリアしなければならない損益分岐点を下回る日が開店して間もなく訪れた・・。初志貫徹なんてきれい事か・・・全ては机上の空論でしかないのか・・・と悲観して居た時に「おぉマスター!」時には「おぉよっちゃん!何か飲ませてや!」と生駒の若旦那の豊さん。生駒寿司の常連さんや友達、知り合いの方を引き連れて度々来てくれる。大将も仕事着の白衣のままで「ジョニ黒水割り!」と15分もしないうちに水のように5杯もおかわり(驚!)女将さんも「うちビールしか飲まへんねん。」と来てくれる。本当に生駒寿司の上で店舗を構えて良かった。涙が出てきそうだ・・。

 そんな若旦那はよくご謙遜されているが、寿司や料理の話となると職人の顔になる。すごい知識とこだわりを熱く語ってくれる。18歳からミナミの某一流割烹で10年近く修行された確かな目と腕前。最近はラフロイグ松谷の影響でラフロイグにはまっている(笑)大将はまさに豪傑そのもの。背筋をピシッとされているのでわからないが御年70余りで戦中戦後の混乱時代を生き抜いた男。人伝いに聞く武勇伝は圧巻である。今時は無いと思うが、みかじめ料の要求でその筋の方がいらしても全く持って動じない、その逆に相手に頭を下げさせて追っ払うという豪快さ。本当に頼もしい。腕っ節もすごくて僕なんかとてもかないそうにない。そんな大将はその昔喫茶学校?今で言うバーテンダースクールに通ってバーテンダーをしていたと言う事も知った。ジンフィズを得意としていたらしい。(真偽は本人に聞いてみなくちゃ!)そしてその家族を支えてきた女将さん。普段は大阪のおもろいおかんだがやっぱりしっかりしているいくら豪傑な大将でもカカア天下で尻にしかれてるのではないかと想像している(笑)(大将、勝手な事想像してすいません・・)

 そんな暖かい生駒寿司の人たち。勝手に僕は生駒ファミリーと名づけた。僕の実の両親や兄貴とは一回り上の人達だが、僕からすれば昭和町でのおやじとおかんであり、兄貴である。本当に息子や弟のように可愛がって支えてくれる。大将、女将さん、若旦那!僕も生駒ファミリーに入ります!これからも変わらずに可愛がってください!よろしくお願いします!
 
                      ほんまにおおきに!

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