まだコンバンハで間に合いますか?今日も若干早めに終わっちゃった猫バーの店主参段です。それでも猫バーの白州は白州会長とジンポニック様と〆はタリスカー会長がきっちり締めてピッタシカンカンで12本目が空になりました。
さてと・・・早く終わっちゃったので早速昨日のお話の続きを・・・いともたやすくバーテンダーの職にありついた僕は「いつから出勤したらいいですかねぇ~」そう尋ねると強面のお兄さんは・・・「今から働いてもらおかぁ~」え?今からっすか?・・・まじっすか?その時の僕は何の用意もせずにボロボロのジーパンとTシャツ一枚の貧相な格好でした。
強面のお兄さんはまた店のスタッフに「おぉ~い!こいつにスーツ持って来たれや!」え?ス・スーツを着るんすか?
そこで用意されたのは趣味の悪い上下紫色のスーツでした。「早よこれに着替えて!」は・はい・・・今すぐに着替えます・・・着替え終わるとまたスタッフに・・・「おぉ~い!こいつ連れて行って来てくれやぁ~!」え?行くってどこへ?買出しっすか?
しばらくして先輩バーテンダー?と夜の道頓堀へ・・・時は90年代後半、夜のネオンがきらびやかに輝く大阪ミナミの道頓堀・・・まるで映画のワンシーンのような喧騒に囲まれた街・・・そこで僕は先輩バーテンダー?と何故かしらミナミバリバリの戎橋で客引きをしていました・・・今じゃこれは迷惑防止条例に引っかかるよなぁ・・・何でバーテンダーなのに客引きをするんだ?そう思いながらも・・「こ・こんばんは・・・と・当店で飲んで行きませんか?」シラーッ・・・無視され続けました・・・この仕事は一体何なんだ?・・・ふと電信柱を見ると血まみれの男性とそれに凄む男性がっ!聞こえてくるのは・・・「ワレ~コラァ~こいつが誰の女かわかっとって声掛けとんのか!オドレこのまま南港に沈めたろか?」ひ・ひゃ~・・・ドラマでみた事があるような・・・アーメン・・・しばらくしてその先輩と店に戻りました。
店に戻ると強面のお兄さんが「そこのテーブルに着いて!」テ・テーブルに着くんすか?・・・言われるがままにテーブルに着くと・・・綺麗な模様が入った腕が眩しすぎる男性とその彼女であろうゴージャスな女性が座っていました。これがバーテンダーなのか?・・・そう思いながらもその男性とお話をしていると・・・「おぉ~兄ちゃん!今日入った新人か?」は・はい・・・今日からこちらのバー?で働く事になりました・・・「お前ボクシングしとったやろ?」え?そんな事がわかりますか?・・・「ワシは顔見たらわかんねん!」そうっすか・・・まじっすか・・・タリスカー・・・。
その男性は僕のお腹を触って・・・「お前ええ腹筋しとるなぁ。」さ・触らんといて・・・「殴らせてみいや!」な・殴るんすか?・・・どうぞご自由にお殴り下さい・・・”ドスッ””バコッ”・・・「効いたやろ?」アホかいな・・・そんな腐れパンチが効くわけないやろ・・・今までどんだけ腹筋してきたと思てんねん・・・そう思いながら、ここで若気の至りの参段ちゃん・・・事もあろうかその男性に思っている事そのまま・・・「素人さんのパンチは痛くもかゆくもありませんわ。離れたらかすりもせえへんと思いますよ。」するとその男性は・・・「なんやとぉ~!」お・お気に障りましたか・・・「ナンボそんなん言うとってもお前みたいなもんはチャカやったら一発や!」チ・チャカ?すいませぇ~ん・・・ごめんなさぁ~い・・・堪忍してつかぁさぁ~い。
その男性は「こいつ気に入った!ブランデーのボトル入れたるわ!」どうも~おおきにぃ~!テーブルの上にはブランデーとグラスが用意されて・・・「まぁ飲めや!」あざぁ~す!頂きまぁ~す!・・・”ゴクッ”・・・おえっ・・・下戸な僕はアルコールの高さにビックリしていました。その後も「おい!グラスが空いてへんぞ!」き・拒否権を行使します・・・「ワシがせっかくボトル入れたってんぞ~ワシの酒が飲めんのかぁ~!」
その後薄れていく記憶の中で耳に入ってくるのは・・・飲んで飲んで飲んで飲んでぇ~♪・・・一気!一気!一気!・・・気がつくと明け方の7時・・・その後吐き気をもよおしながらカラスがゴミ袋をついばむ明け方の道頓堀を歩きながら・・・これはバーテンダーの仕事じゃなかった・・・そう思いながら、程無くその店から姿を消した根性無しのへたれ参段でした。チャンチャン♪
気が向いたら続く根性無し物語シリーズ・・・第二話完
#日々の出来事