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一段落


 年が明けるまでには店の形を作り上げておきたい。もうすぐ正月だが、正月気分を味わおうなんて甘い考えは無い。元パチンコ店員なので人が休んでいるときに働くと言う事には十分過ぎる位に慣れている(笑)もちろん正月返上で詳細を詰めていくつもりです!
 その節目としてやっておきたかったのは、営業許可申請。警察の深夜営業許可、消防署の許可、税務署への申請など色々あるが、その中でも保健所の「飲食店営業許可申請」は一番大変という事を聞いていたので、これだけは年内に済ましておきたかった。
 朝から店に来て申請書や店内の配置図を描いたり、事前相談のとき指摘された箇所は業者の方に来て頂いて手直しを加えてもらったりして準備を整えていざ阿倍野保健所に出向いた。申請書と事前に受けていた食品衛生責任者講習の修了証書と共に提出した。日程を聞かれたがこれまた無理を言って当日に来て頂いた。
 約束の時間になり保健所の監視員の方がチェックに来られた。最近のノロウイルス流行の影響で徹底的に検査をしているとの事。内装全てを業者に依頼したならば、手続きも代行していてくれただろう。しかしそんな資金力はあるはずもない。友達と一緒にやった内装である。不備があったり、素人では出来ない所だけ業者の方にお願いした。そんな手作りの店です。緊張しながらチェックを受けた。
 あっさりと「OK!」曇りがちだった僕の表情は安堵のそれになっていた。これで店として認定されたんだと嬉しくなった。もちろん屋号は「whiskycat1494」。屋号について監視員の方に尋ねられてその由来を説明すると、「いい名前だねぇ。私はてっきりそんな名前のウイスキーだと思っていたよ。」どうやら500年物!?のスコッチと思っていたらしい。そんな他愛ない会話で審査は終わった。これからが大変だけどなんとかスタートラインには立つことが出来た。いや野球で言えばまだネクストバッターサークル、競馬で言えばまだパドックと言った所でしょうか。
 この2ヶ月間は時の流れる速さが普段の生活の10倍位に感じた。秋だったはずが気が付くともう年の暮れで新年を迎えようとしている。アルバイトをしながらの開業準備、寝食惜しんで働いた。食品衛生の講習もウトウトとなりかけた目をこじ開けて聞いた。体調管理には気を使っていたので病気はしなかった。けど色々やっていたら食事を取るのを忘れていたり、睡眠時間を削ってしまったり・・・。そんな事をしていたら頬がこけて目の下はクマ・・・。不細工な顔がより一層不細工になった(笑)60キロはあったはずの体重も昨日、家で量ったら56キロになっていた・・。
中学生以来の56キロ・・。しばらくはおいしいものを食べるお金は無いと思う。けど大好きな納豆とモズクで栄養を補って、店が順調になったならおいしいものを食べたいと思う。

#開店への歩み

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