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カウンターよカウンター。あぁカウンター。

 家で飲んだ方が安く付くのは周知の事実。しかしバーに飲みに来るのにはそのバーに何らかの付加価値があるからお客様はいらっしゃる。例えば、会話が楽しいバーテンダーがいる。生演奏が聞けたりBGMにこだわっている。内装がレトロなアンティークで雰囲気を楽しめる。絶品の料理があったり、カクテルコンペに入賞したバーテンダーが作るオリジナルカクテルがある等。
 それらを考えるとwhiskycat1494はどこに付加価値を見出せるのか?コンセプトとしては選び抜いたおいしいモルトを安価でご提供してモルトそのものを楽しんで頂く。しかし、それだけでは足りないと思う。
 内装においては業者に頼む資金などあるはずも無く・・・カウンターが備わっていたのが救いで、それ以外はほぼすべて自分たちで仕上げた。バックバーもはじめに備わっていたのは一度分解して納得のいくようにビスで打ち直して、ペイントをした、同じく入り口の扉も。イスも木の温もりと落ち着いた雰囲気の物を必死に歩き回って探し、照明も替えて、音響設備もスピーカー、配線など全部やった。
 こだわったのはカウンター。これを取り壊して配管をする事は資金的、技術的にもとてもできなかった。はじめから備わっている白い大理石のカウンターを見つめながらずっと考えていた。ウイスキーの魅力を伝える雰囲気にはどうすれば良いか?何か妙案は無いか? 至った結論はウイスキーの樽材を使った天板をカウンターに貼るということ。
 サントリー樽ものがたりと言う寿命の過ぎたウイスキー樽の廃材を使って家具を販売しているウイスキーファンにはたまらなく魅力的なところへと足を運んだ。担当の方が親身に相談に乗って下さり、天板だけを特注で製作して頂いた。重ね重ね無理を言って年内に仕上げて頂いた天板が昨日届いた。
 コンクリートボンドを買って来て慎重に張り合わせた。安定するには2日程安静にして置かなくてはならない。カウンターを貼った事でやっと理想とするバーの形に近づいて来た。ウイスキーのオーク材の上でウイスキーの熟成のロマンを感じながらモルトをお客様に味わって頂きたい。それがwhiskycat1494の内装におけるこだわりであり、レーゾンデートルでもある。
 自分達の手作りの内装。古くて狭いし、正直満足して頂ける内装では無いかも知れない。しかし、出来ることは全部自分達でやった。カウンターをはじめ、バックバー、音響、配線、照明、扉・・etc
 日当缶コーヒー1本。いわばボランティアで一緒にやってくれた、いや不器用な僕は手伝う程度でほぼ80%をやってくれた松谷。ペンキで頭を汚したり、仕上がりを考え素手にこだわり、手にボンドやペンキをつけながらでも必死にやってくれた友達の松谷!松谷大先輩(仕事の元先輩)!車のない僕の買出しの為に車を出して付いて来てくれたり。本当にありがとう!お前がおらんかったら満足いく内装にはとてもならなかった!この借りはいつか必ず返します!けど飲みに来てもただ酒はないで、勘定はもらうからよろしく!(貧乏なもので・・(笑)
 僕を支えてくれる素晴らしい仲間が居る事に感謝すると共にまた改めて自分一人の力では何もできない、色々な人に支えられて生きているんだぁと幸せをかみ締めました。

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