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ヴァッティングの妙

コニャニャチハ~・・・暑さにうだる猫バー専属バイヤー参段ですう~ん・・・暑い

という事でこんな暑い日はモヒートorハイボールで喉を潤してからモルトへとお進み下さい

さて本日未明のチラリズム速報にてお知らせ致しました新入荷ボトルの詳細を綴って参りたいと思いますがかなり長編大作なのでモルトにご興味のある方のみ読み進めて下さい?

モルトにご興味の無い方がご覧になっても面白くもかゆくもありませんが、そのような方はモルトにもっと興味を持って下さい?

では前置きは程ほどに本題へと移って参りたいと思います

今回新入荷ボトルとしてご紹介差し上げるのはっ!

トマーチン・ディケイズ(1500円)です

アルコール度数46度のノンチルフィルタードでボトリングされたトマーチン・ディケイズとはマスターディスティラーであるダグラス・キャンベル氏の勤続50年を記念して造り上げた限定300本の逸品であります

1967年、1976年、1984年、1990年、2005年のカスクを巧みにマリッジ。それぞれの樽の個性と多彩な味わいを最大限に引き出した二度と味わえない至高のウィスキーです。円熟と若さが一体となり、シェリーやバーボンの力をまとった原酒たちが一同に会し、深みのある味わいと若さ溢れる爽やかさが生き生きと伝わってきます。
麦芽の甘い香りが立ち上がった後、桃やリンゴ・洋梨といったフルーティーな香りを感じられ、味わいはトロピカルフルーツ、フルーツケーキ、アニス、シナモン等の刺激的な味わいが口の中にゆっくりと広がっていきます。フィニッシュには重厚な麦芽の甘みが感じられ、穏やかですが記憶に残るまさに、ダグラス・キャンベル氏その人です。

以下のデータは猫バー技術研究部が入手した極秘資料?によるものです↓

各年代のウイスキーの特徴

基本的な原酒の仕込み方法は変えていません。現在販売している2005年ピーテッド以外はノンピートの麦芽を使用しています。

1960年代の特徴で言うと、1969年までトマーチンでは自社にてフロアモルティングをした麦芽を使用しています。
また、60年代~70年代の樽は現在のラック式の倉庫ではなく、ダンネージ式の倉庫に貯蔵されていたため、倉庫内の温度が比較的低めのため、熟成の速度がゆっくり進み、長期熟成してもボディがしっかりと残っています。

※蒸留年:樽の種類  蒸留年月日

ダグラス・キャンベル氏のコメント

1967年:リフィルシェリーホグスヘッド 1967年5月17日蒸留

これは現存するトマーチンの原酒で最も古いものの一つだ。シェリーの特徴に加え、蜜蝋、煮リンゴ、オレンジピールのほのかなフレーバーが感じられる。これらの特徴をボトリングされたディケイズから探し当てるのは、なかなか

1976年:ファーストフィルオロロソシェリーバット 1976年12月7日蒸留

30年以上の長熟トマーチンというのは、本当にフルーティな逸品で、シェリー樽の中に封じ込められていたら尚更だよ。パッションフルーツ、ブラックベリー、ハネデューメロンの豊かな風味が、他の若い原酒の強すぎる主張をうまく抑えている

1984年:リフィルシェリーホグスヘッド 1984年6月21日蒸留

この樽は数年前にひょっこり見つかった一連の素晴らしいリフィルシェリーホグスの一部だ。トマーチンで出会った樽の中でも最高の部類で、原酒に豊かなボディーと深みを与えてくれる。この1984年物はシングルカスクとして、絶対に製品化に値すると思うよ。

1990年:ファーストフィルバーボンバレル 1990年9月24日蒸留

バニラ、レーズン、キャラメルの風味が圧倒的だ。この原酒も非常に個性的で目立ちたがり屋だけど、同じく個性的な1976年と1984年がうまく間に入って調整している。

2005年:ファーストフィルバーボンバレル 2005年12月7日蒸留

若くて活力にあふれている。若々しい躍動感が、長熟原酒の深い味わいとうまく調和している。ほのかにピートを効かせた(15ppm)この原酒によって、いつものノンピートトマーチンとは違った要素が持ち込まれたことが、今回のディケイズ全体にうまく作用しているね。

各年代の樽の割合

1967年 シェリーホグスヘッド 1本
1976年 シェリーバット     2本
1984年 シェリーホグスヘッド 2本
1990年 バーボンバレル    4本
2005年 バーボンバレル    3本

失礼ながらこのボトルはサンプルを飲むまでは奇をてらったチックな物と勘違いしていましたが飲んでそのヴァッティングの妙にビックリ

60年代の古い原酒から2005年までの若い原酒、シェリーバットからバーボンバレル、ノンピートモルトからピーテッドモルトまで個性の違う原酒を巧みにヴァッティングし素晴らしいモルトウイスキーに仕上げているのは流石の一言に尽きます

大吟醸酒のような吟醸香、マスカットのようなクリアなフルーツ感、時間を置くと麦の甘みと木の香り、ドライなアタックから徐々に奥に潜むパッションフルーツが顔を出して洋ナシのフレーバーを残しながら静かに長く消えていく・・・

これぞブレンダーの偉業っ!オフィシャルボトルの底力っ!

今宵の猫バーで・・・

        ヴァッティングの妙を貴方へ

 

#新入荷ボトル

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