2002年8月ですので、ちょうど5年ほど前ですね。
焼酎ブームの一角の、「吉兆宝山」「富乃宝山」の西酒造が、
初留垂れの「ちびちび」にバニラエッセンスを混ぜていたということで、
熊本国税局から50万円の罰金を課せられていた、という新聞報道が
ありました。真相は藪の中。結局「ちびちび」は終売となりました。
これは残しておいた貴重な一本で、幻の焼酎となりました。
1、「読売新聞」記事 2002.8.12夕刊
バニラ風味がアダ、「焼酎と言えぬ」と国税が罰金
都会の若者を中心に新たなブームを巻き起こしている「本格焼酎」。
イモ焼酎らしからぬフルーティーな味わいで注目を集める本場・鹿
児島県産の人気銘柄の1つに、実はバニラエッセンスが香料として添
加されていたことがわかった。香料を添加すると酒税法上は焼酎と
認められず、酒造元が国税当局から同法違反(無許可製造)で
罰金を受ける事態に。「信用にかかわる」「おいしさを追求した あ
まりの勇み足」――などと、新しいイメージ定着を狙う業界が香
料添加の是非を巡って揺れている。
独特のくさみが持ち味のイモ焼酎だが、鹿児島県内の業界では、
この数年、原料を厳選して新しい風味を加えたり、ネーミングに
凝る ことで、それまでの「年配好み」というイメージを一新させる
銘柄が相次いで登場。その効果もあって、全国の都市部の若者などの間で、
地酒ならぬ“地焼酎”ブームが起きている。
同県吹上町の「西酒造」も、独自の製法で、甘い香りやまろやかさを
引き出したイモ焼酎「富乃宝山」など数種類の銘柄を相次いで売り出した。
特に限定生産の「ちびちび」(アルコール度数45度)は、
360ミリ・リットルで1890円と比較的高価だが、
数年前の販売直後から注文が殺到し、売り切れ続出の人気ぶりだった。
ところが、関係者によると、熊本国税局が調べたところ、「ちびちび」には
風味を出すため微量のバニラエッセンスが無表示のまま添加されていたことが
わかった。 酒税法は、酒を製法などによって清酒、焼酎、ビール、
ウイスキー、スピリッツ類など10種類に分類。香料を加える製法は、
ウオツカやラム酒などと同じスピリッツの製法で税率も変わる。
製造免許は酒類ごとに必要なため、同国税局は、健康には問題がないものの
無免許製造に当たるとして、今年5月ごろ、西酒造に50万円以下の罰金を
科した。「ちびちび」は没収され、現在、製造されていない。
酒税法上の処分で、香料の無表示添加が判明したのは極めて異例という。
西酒造の西陽一郎専務(31)は「焼酎には元々微量ながらバニラの成分が
含まれており、それを強調したかった。おいしい酒を追い求めたあまりの
勇み足だった」と説明する。
同県では1996年にも、幻の銘酒と言われる「魔王」の酒造元が甘味料を
加えていたとして、同様の処分を受けていた。若手経営者の1人は、
添加物を表示しないことに関して、「小さい酒蔵にとって『本格焼酎』と
いう看板にこだわらないとやっていけない」と、苦しい胸のうちを明かす。
これに対して、同県の大手酒造メーカー「本坊酒造」では「若い経営者らは
添加物などに頼り過ぎ。樽(たる)に寝かせるなど風味を出す方法は
いくらでもある」と苦言を呈し、「きっちり表示すべきだ。業界の
信用にかかわる」と批判する。
実際、すごく甘い匂いがしました。、バニラエッセンスと言われると
さもありなんという気がします。
ウィスキーのバニラ臭は樽からつくそうですが、
焼酎の初留垂れでなぜバニラ臭があるのでしょうか。
バニラエッセンスでなく、何か「酸」(バニリン系?)を
加えていたことは事実らしいです。
酒税法の規定は知りませんが、うまければいいと思うのは
単なる酔っ払いのたわごとでしょうか。
#焼酎