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アードベッグ ニュースレター Vol.4‐1


Ardbeg Newsletter Vol.4
アードベッグの「再生」
『アードベッグ ルネッサンス』という
ネーミングが発表されたとき、
「あれ?」と思われた方、多いのではないでしょうか。
それまで発表になっていたアードベッグは「ベリーヤング」
「オールモスト・ゼア」など英語の名前ばかりだった所に
突然フランス語の“Renaissance”が登場したのですから。
「なぜスコットランドのウイスキーにフランス語の名前を?」
疑問の声が上がるのも無理はありません。
ルネッサンスはフランス語で「再生」という意味ですが、
ご存知の通り14世紀から16世紀にヨーロッパで興った
いわゆる「文芸復興運動」を指す語でもあります。
実はこの言葉の定義は正確には定まっておらず、
その時代そのものが「ルネッサンス」と呼称される場合もあるのだとか…。
一時代を象徴するような歴史的出来事を指す、偉大な言葉を名前にもつ一本は
きっと沢山の思いが込められているに違いありません。
シリーズ最後の今回は『アードベッグ ルネッサンス』をご紹介いたします。

今回も造り手であるビル・ラムズデン博士に聞きました。

『ルネッサンス』『10年』
進化の先にあるものは…??

「アードベッグ ルネッサンス」はPeaty path to the maturityシリーズ最後の作品ですね。
ビル・ラムズデン博士(以下B):「はい。アードベッグの再開からようやく丸10年が経ち、とうとう我々の手で蒸留した原酒のみを使った10年物のウイスキーが発表できるようになりました。『ルネッサンス』はアードベッグにとって非常に意義深い作品です。」

やはり10年というのは節目として非常に重要だったわけですね。
B:「ええ、そうですね。もちろんウイスキーのクオリティーに関しても、ひとつの到達点に達したという認識がありました。10年の熟成で、アードベッグのスタンダードな一本としてご紹介するにふさわしい味わいが完成したのかなと。」

しかし、どちらも10年物である「ルネッサンス」と「10年」はつくりとしては何が違うのでしょうか?
B:「Path to the maturityとしてリリースされた作品は、全て1998年に蒸留された原酒を使用しています。ヴィンテージがついているというのが、まず『10年』とは異なるポイントです。次に、アルコール度数。同じくPath to the maturityシリーズは熟成年数による味わいの変化を感じていただくため、高めのアルコール度数でボトリングしています。これにより、『ルネッサンス』と『10年』は味わいがやや異なります。記念的作品である『ルネッサンス』と、その先にある永遠のスタンダードである『10年』。この二つは我々にとってはとりわけ重要な作品です。」

なるほど。2本の違いがよく分かりました。特にアルコール度数はかなり違いますね。
B:「はい。『10年』が46度であるのに対し、『ルネッサンス』は55.9度と、10度くらい違います。先ほども申し上げたように、『ルネッサンス』はヴィンテージがついているため、世界の在庫が販売終了してしまうと、二度と味わうことができない作品です。このボトルに出会う機会があれば、ぜひ試していただきたい一本ですね。」

以下Vol.4 ‐2に続く…

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