THE MILROY SELECTION
COLDEN STRENGTH
Springbank CAMPBELTOWN
(スプリングバンク 30年)
AGED 30 YEARS
700ml 50%
Bottled:1999
"BOTTLED IN SCOTLAND FOR MILROY ASSOCIATES"
オススメ度(9)
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
香り:しっとりとしていながら存在感のある香り立ち。
分厚いレザーと煙、干した麦、ミント、裏には葡萄の果肉のようなフルーツ感。
ステイさせることでナッツや松の樹皮、昆布のような旨み、クリームのような香りもある。
とにかくどんどんフレーバーが出てくる。モルトの香水ここにあり、お手本のようなスプリングバンク。
まるで秋の空のようだが決して悪天候にはならない。心地よく、幸せな気持ちにしてくれる。
味:滑らかだがしっかりとしたフレーバーの存在感を感じさせる上品な甘さと旨み、
どこか古びた印象を感じさせるフレーバーは、飲み手をウェアハウスの中に連れて行ってくれる。
程よい甘さのフルーツ感、皮付きの白葡萄や桃のネクター、微炭酸のようなスパイスが舌を心地よく刺激する。
後半はほのかなスモークや松の木、僅かに蝋燭、蜂蜜、煮たリンゴ、梅を思わせる微量の酸味、
余韻は長く、次に何か味のあるものを食べるか飲むかしない限り、口の中に幸福が持続する。
コメント:パラディにて。昨日、新年の挨拶をかねて来店した際の締めの一杯。
ボトルはジョン・ミルロイ経営、ロンドンの専門店ミルロイのための特選モルト。氏いわく「優雅。モルト愛飲家の夢」。
「4杯コースでお願いします」と今回は完全お任せでしたが、
1杯目はオフィシャルのフェッターケアン8年 1970年代流通で舌慣らし。次はもう少ししっかりしたのが来るのかなと思いきや、
2杯目にDTグレンロセス1968-2005 53.2%
3杯目にはなんとベンリアック1968-2010 #2710 神戸
が出て、もう口の中はフルーツ一杯ヘブン状態。
(しかも3杯目のベンリアックはブラインドで出されました。なんとか正解しましたが、まさかコレがでるとは思っても居ませんでした。)
このまま家に帰っても良い夢見れそうな感じですが、注文の4杯コースにはまだ1杯足りません。
「くりりん君、今日ははずさないよぉ~」とマスター。
いや、この店ではずされたことってあんまりないんですがw
でもこんな状態で締めは何にするんですか、と疑問に思うところで、出てきた4杯目はスプリングバンク!!
ブログUP後、タケモトさんよりいただいたコメントにより1999年詰め、60年代蒸留であることが判明。
シングルカスクかどうかは不明ですが、仮にシングルカスクであったとしても、スプリングバンクならこの複雑かつ馥郁としたフレーバーは納得です。
一度鼻を近づける、二度鼻を近づける、しばらく待つ、再び近づける・・・
おぉ~変わるよ変わるよ、どんどんフレーバーが出てきて、香りのレイヤーが開いてく感じ。
そういえばここんところ旨いバンクを飲んでなかったのですが、いやもうこれは満足に値する一杯です。
なによりテイスティングしていて楽しいです。コメントももうノリノリです。
1月4日仕事始め、この寒さに休み明け、正直気が滅入るところもありましたが、帰り道の足取りは本当に軽くなっていました。
帰りの電車の中、口の中にずっと滞留するバンク味を満喫しつつ・・・心地よい岐路。寒さなんてへっちゃら。
明日からまたがんばれそうです。
#スプリングバンク