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「三段仕込み」と「初呑切り」

三段仕込み

日本酒の造り方には様々なものがあるが、その製法の一つに「三段仕込み」という製法がある。三段仕込みとは、仕込みの水、麹、蒸し米を「初添え」、「仲添え」、「留添え」の3回に分けて加えていく方法のことである。今となっては一般的とされている製法であるが、このように仕込みの段階を3回に分けることで雑菌による日本酒の汚染を防止する役割があるとされている。さらにこの、仕込みの水、麹、蒸し米を加える作業をもう1回増やして4回にした製法が「四段仕込み」と呼ばれており、この製法で造られた日本酒はどちらかと言うと甘口の日本酒になると言われている。

●初呑切り

初呑切りというのは、味を調えるために貯蔵されていた冬の日本酒を検査のために、その日本酒を最初に口にすることである。呑切りの意味はタンクの呑口を開けることなので「初呑切り」とは初めてタンクの呑口を開けることだということが分かるだろう。この「初呑切り」は蔵元が長い間一生懸命、愛情をこめて造ってきたお酒の出来を最初に確かめる緊張の一瞬であると同時に、蔵元しか味わうことのできない特別な味を味わうことの出来るもっとも楽しみな瞬間だとも言うことができるだろう。どんなに長年日本酒を造り続けている杜氏でも、この瞬間だけはいつまでも緊張するようである。じっくりゆっくり、機嫌を伺いながら育ててきた日本酒なだけに、自分の子供の成長を確かめるような心持ちなのかもしれない。
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