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グラヴァー生家修復計画

明治維新前後に活躍したトーマス・グラバーに関する記事が英国の新聞デイリー・エクスプレスの2月15日号に掲載されました。会員の稲永丈夫さんが翻訳してくださったので皆様にお知らせします。
 

グラヴァー生家修復計画

『日本のヒーローとなったスコッツを顕彰する新企画』

2014年2月15日付“デイリー・エクスプレス紙
ロッド・ミルズ記者

日本の産業革命の尖兵となった“スコットランド人侍”(グラヴァーのこと)の生家が近く修復され、経済交流促進に一役買うことになった。
アバディーン州生まれのトーマス・ブレイク・グラヴァーは、一介のクラークから身を起こして日本に渡り、今日の工業国日本の基礎造りに貢献した。日本に初めて蒸気機関車を持ち込み、近代的な石炭鉱業を興し、また後に三菱グループへと発展する近代造船所を創設したのである。この19世紀の企業家はまた、プッチーニのオペラ“マダム・バターフライ”に霊感を与えたともいわれている。1911年73才で逝ったグラヴァーは、天皇や首相の知遇を得、外国人として初めて最高位の旭日賞を授与されている。日本での知名度は高く、彼の長崎の邸宅や庭園は毎年200万人もの観光客で賑わっている。
昨日このグラヴァーの生家で、アバディーンと日本との絆を一層高めようとする新しい計画が発表されたが、その一つとして与党議員アレックス・ジョンストンとアバディーン市議会のロス・トムソン議員から、ブリッジ・オブ・ドンにあるグラヴァーの生家を改築する計画も発表された。
トムソン議員は、「私はアバディーンと日本とりわけ長崎との間に横たわる重要で歴史的な関係を非常に誇らしく思っている。この関係を貿易、教育、文化およびスポーツの面から一層強化することが、互いの利益に大いに資するであろう。例えば、日本は現在、再生可能エネルギー産業の発展に多額の投資をしているから、この方面における両国の協力の機会は大きい」と語った。
またジョンストン氏は、日本との超党派国会議員交流会の世話役を務めているが、「我国の東北地方は、日本に対しユニークな特産品、例えば世界的にもレベルの高い二つの大学やゴルフ、ウイスキーなど品質の良い産品を提供できるので、日本との貿易の可能性はきわめて高いと思う。アバディーンと日本との重い絆を勘案した戦略を構築すれば、経済的な成功だけでなく、両国の友好と相互理解を一層促進する効果が期待できるであろう。」と述べた

 

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