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統合で海外戦略加速 キリンとサントリー 国内再編先取り

http://news.nifty.com/cs/headline/detail/sankei-e20090713036/1.htm

2009年7月13日(月)17時0分配信 産経新聞

国内食品業界で“覇”を競うキリンホールディングスとサントリーホールディングスが、経営統合に向け交渉に入った背景には、国内での収益基盤を強化し、そこでかさ上げした収益を、海外市場でのM&A(企業の合併・買収)など“攻め”経営の投資に振り向け、成長を目指すという狙いがある。

 両社の統合交渉入りが、同業界他社の再編を促す公算も大きく、合従連衡の行方次第で、食品・飲料各社の“優勝劣敗”を鮮明にする可能性もある。

 両社の平成20年12月期の連結決算は、最終利益がともに過去最高益を更新するなど、単独でも生き残れる収益力は十分備えている。

 しかし、統合後の最終利益が合計で1122億円になるのに対し、売上高がほぼ互角になる米ペプシコの約5400億円にはほど遠い状況。このため国際的な競争に勝ち抜くには、業界に先手を打つ形で再編に踏み切り、合理化や成長戦略を加速する必要があると判断した。

 両社はすでに物流での連携に加え、アルミ缶の共同調達などに取り組んでおり、統合で一段の効率化を進める。流通業界との価格交渉力が増すことにも期待する。流通業界ではセブン&アイ・ホールディングスとイオンを軸に再編が進み、流通側の価格決定権が増したことでメーカーの採算性は悪化。規模の拡大で流通との交渉を有利に進め利益率の改善を目指す狙いもある。

 とはいえ、キリンは上場企業で、サントリーは非上場で同族経営。大型再編としては珍しいケースになるうえ、両社の事業領域も多岐に渡るため、交渉の決着に時間がかかる可能性がある。

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 【用語解説】キリンホールディングス

 国内食品最大手。明治40年設立で、東京証券取引所1部上場。本社は東京都中央区。傘下に国内ビール類2位のキリンビールや清涼飲料3位のキリンビバレッジ、ワイン最大手のメルシャン、医薬品の協和発酵キリンなどを抱える。海外でもオーストラリアの乳業最大手やビール大手を完全子会社とするなど積極的な合併・買収(M&A)を進めている。平成20年12月期連結売上高は2兆3035億円。連結従業員数は約3万6500人。

 【用語解説】サントリーホールディングス

 国内食品2位。明治32年創業の非上場企業で、創業家の資産管理会社「寿不動産」(大阪市)が89・3%の株式を保有している。本社は大阪市。国内2位の清涼飲料事業が最大の収益源で、ウイスキーでは首位。ビール類では平成20年にサッポロビールを抜き3位。20年12月期連結売上高は1兆5129億円、連結従業員数は約2万1千人。

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