太宰治の短編に「親友交歓」という一編があります。(新潮文庫『ウ゛ィヨンの妻』所収)
粗筋は以下のようなものです。
昭和21年9月。文学者として名を成した太宰の元に過去の親友と主張する農夫がやってくる。太宰は半信半疑ながらも礼儀として農夫を家に上げる。農夫は太宰秘蔵のウィスキーによるもてなしを要求し、しぶしぶながら太宰はその要求に応じる。農夫は自己の主張を一方的に語りながらウィスキーを最後の一本になるまで飲み干し、最後の一本をも手土産として持ち帰る。
さて、このウィスキーは匿名であるものの、ある程度、具体的な記述があります。
その箇所を引用すればよいのですが、モブログなので(入力がめんどくさい)、要約して箇条書きにします。
・角瓶である
・太宰曰く「昔なら三流品」だが「今では一流品」である
・メチルではない
・味は農夫曰く「まむし焼酎に似ている」
・アルコール度数は農夫曰く「サントリィ」ほどではなく、「60パーセントくらい」であり「たいして強くない」
さて何でしょうね。
私はウィスキーの歴史には詳しくないので、疑問は解決しないままですが、あれこれと想像して楽しむのもよいように思います。
#ウィスキー