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バーで飲もう!“ボジョレーヌーボー祭り”篇

今年のボジョレーヌーボーはもう飲みましたか?
私も2種類ほど飲みましたが、どちらとも新酒らしくフルーティーで飲みやすく美味しいものでしたが、昨年飲んだボジョレーヌーボーの中にはとても新酒とは思えないほどタンニンが豊富で色も濃く、『これってヌーボー?』と思わせるドメーヌ(自家醸造農園主のこと)も何種類かありました。今年はそのドメーヌを避け、定番を提供しています。

しかし、毎年毎年“今年の新酒はこれまでの中で最高のできです!”って言葉を聞きますが、じゃ昨年までのボジョレーは何だったの?って聞きたくなります。まぁ、今年のできはイマイチなんて言ってたらボジョレーヌーボーも売れないんでしょうけど・・・

近年、販売されるボジョレーヌーボーの種類(ドメーヌ)は数年前とは比べ物にならないくらいに増え、中には樹齢100年の樹から作られたブドウを使用したボジョレーヌーボーや新酒とは思えない高価なヌーボーも数量限定で販売されています。
限定物や新しいものが好きな日本人の弱いところを知ってか、取扱いする酒販店もマスコミや広告を使い、あの手この手でこのお祭りを盛り上げて売上を伸ばそうとしています。(輸入本数は減っているようです)

時差の関係で生産国のフランスより早く、日本が世界で1番先にこのボジョレーヌーボーを飲むことができるのですが、その生産国のフランスがこの日本のお祭り騒ぎを結構冷ややかに見ているのも不思議です。
確かにワインコンテストで高評価を得たワインや、オールドビンテージのワインではなく、新酒のワインでこれだけ大騒ぎする国民も珍しいのでしょうが、年々盛り上がりに欠けてきているとはいえ、ボジョレーヌーボーだけでもフランス産ワインの消費量はかなりの数字になるでしょうから、フランス人も暖かい目で見ていただきたいものです。

しかし、解禁から5日ほど経った今では、このボジョレーヌーボーの話題も全然聞かなくなっています。(一日だけの祭りじゃないです!)
当店でも扱っているものの、“食いつき”はイマイチで、中には『ボジョレーヌーボーって何?』と存在すら知らない若者もいます。(毎年これだけ騒がれているのに・・・)
売れないからコマーシャルしないのか?コマーシャルしないから売れないのか?輸入する企業も私たち飲食店も努力が必要なようです。

あとがき
数年前の話ですが、ある会社の社長が毎年最高のできと騒がれているボジョレーヌーボーをケースで買い込んで保存していたようで『うちには19○○年物のボジョレーヌーボーがケースである』と自慢していました。私には「ボジョレーヌーボーの飲み頃は翌年の春くらいまでです」とは言えませんでした。 そのボジョレーヌーボーがまだ大切に保存されているとしたら・・・やっぱり教えてあげたほうがよかったかなぁ。

#酒

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