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バーで飲もう!“生命の水”誕生篇

人類が一番最初に酒を飲んだのはいつ頃なのか? 
そして、その酒は何だったのか? 考えたことないですか?

記録によれば、人類が地球に存在したと確認されているのは約200万年前と言われていますが、6000万年も前にワインの原料であるブドウが繁茂していたことが化石より確認されています。
200万年前の人類にワインを造る知識があるハズがありません。
木や地面のくぼみに水とブドウの実が落ちて集まり天然の酵母菌で発酵してワインが生まれていたようです。
今でもアフリカには果実が天然酵母で発酵してアルコールを含み、それを食べた動物達が酔っ払ってしまう野生の木が今でもありますよねぇ。 何でしたっけ? ご存知の方はコメント欄で教えてください。

ちなみに紀元前4000~5000年頃の出来事を記録している「ギルガメッシュ叙事詩」の中にはワインの記述があり、紀元前3100~1500年に栄えたエジプト王朝のピラミッドの壁面にも、ぶどう栽培やワイン醸造の絵が描かれています。また紀元前1700年頃の「ハンムラビ法典」には「酒癖の悪い者にはワインを売るべからず」というワイン取引の記述があります。 

そして次に古い歴史をもつのが「液体のパン」とも呼ばれるビールです。紀元前4000年以上前のメソポタミアで人類が農耕生活をはじめた頃、放置してあった麦の粥に酵母が入り込み、自然に発酵したのが起源とされています。
ビールの最古の記録は紀元前3000年頃にメソポタミアのシュメール人が残した『モニュマン・ブルー』と呼ばれる粘土の板碑で、これに当時のビールのつくり方が描かれています。
簡単に説明すると麦でまずパンを作り、それを粉々にくだいて温水に漬けておくと天然の酵母菌の働きで発酵し、ビールになると言った具合ですが、当然ホップもないから苦味も無く、アルコール度数も低かったようです。 この発泡酒?を最初に飲んだ人は炭酸ガスにビックリしたでしょうね! 

ワインにしてもビールにしても、その液体が人体にどのような影響を及ぼすのか知らない状態でよく口に入れたと思いませんか?
水が無く、仕方なくその液体を飲んだのか? いい香がしたから興味が湧いて飲んでみたのか?
現代の私たちがその液体をワインやビールと認識して飲むのとは全く違います。今、そこら辺のくぼ地に知らない木の実が溜まった液体があるから飲めって言われても・・・まず飲むことはないですよね。 
最初にそれを飲んだ人は勇気がありますよね!(私的には“なまこ”や“うに”等を最初に食べた人にも拍手を送りたい!)
もしかしたら毒見役として誰かが飲まされたのか?
初めてその液体を飲んで酔った人はどんな気持ちになり、そして周りの人はどんな風に見ていたのか? 興味が尽きない話です。

その後、酒づくりに大きな変化をもたらしたのが 錬金術師たちの蒸留技術の酒への応用です。これにより、アルコール分の多い強烈な酒をつくることが可能になり、その酒のことをラテン語でアクア・ビテ(Aquavitae)『生命の水』と呼び薬として酒を扱っていました。
この『生命の水』の製法は、中世ヨーロッパの各地に伝えられ、土地ごとに入手が容易な原料を使って酒の蒸留が行われました。
その後、これら各地の酒は改良を重ね、ウイスキー、ブランデー、ウォッカ、北欧諸国のアクアビットと分化し、今日では多種多様の『生命の水』として飲み継がれているのです。

#酒

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