飲食店にとっては魔の2月
うんにゃそんなことねぇ、暇なときに勉強しとけーなモチベーションまでやっと持ってこれた若造with肩こりです
昨日は蒸留までやったので、今日は熟成~瓶詰めをやってみます
2回の蒸留を終えた酒は、無色透明な液体です
この状態をブリティッシュファインスピリッツもしくはニューポットと言います
スコッチは3年以上熟成の義務があるため、まだここではウイスキーといえないのです
ニューポットはアルコール度数70%位です。これを樽に詰める前に一度仕込み水で63%ほどに加水します。
そちらの方が樽の成分を引き出し易いのだそうです
樽は、オークです。オークは、ブナ科コナラ属の広葉樹です。ナラなどの総称で全世界に300種類以上あるそうですが、スコッチに使用されるのは主にアメリカンホワイトオーク(クエルクスアルバ)、スパニッシュオークと呼ばれるコモンオーク(クエルクスロブール)です
前者はバーボンの熟成に、後者はシェリーの熟成に使われた後の物を使います
他にもポートワインや、ラムなどの古樽を使ったり、サイズも様々です
酒を詰めた樽は、保税倉庫(=ウエアハウス)に運ばれ、長い眠りにつきます
実は、蒸留釜から流れ出た瞬間から、その酒は課税対象になります
なので蒸留所の職人さんも、保税官の立会い無しには一滴も味見ができないのです
蒸留の作業でスチルマンが、ミドルカットをする際に実際に飲まず比重計と勘を頼りに作業するのも、スピリットセイフが金庫(セイフ)と呼ばれるのもその為です
無色透明な荒々しいスピリッツは、長い年月の間に磨かれ、まろやかで芳香な琥珀色をした液体に生まれ変わります
浸麦、製麦、糖化、発酵、蒸留までは長くとも20日ほどしかかかりません
熟成は3年~50年くらいのものまでありますね。すごい
熟成の完了したウイスキーの樽は、一度タンクに集められ、ミックス(=ヴァッティング)されます
倉庫内の置かれた位置によって(地面に近いか天井に近いかなど)風味が全て異なるからです
複数の樽をヴァッティングした後は、通常は加水を行います
熟成によって55%ほどに落ちているとは言え、それでもアルコールが高すぎるので、EU規格である40%に揃えることが多いです
このときの加水する水は、仕込み水である必要はありません。熟成後のウイスキーに余計なフレーバーを加えたくないということで、不純物などを取り除いた蒸留水が使われます
グレンフィディック、スプリングバンク、ブルイックラディなど、瓶詰め設備を蒸留所の併設しているところは、仕込み水を使うこともあるようです。
マッカランは瓶詰め設備を持っていませんが、仕込み水で加水してから瓶詰め工場に出荷するようです
で、瓶詰めされて私たちの元へ届くわけです^^
な~る~
復習
Q① バニリン香や、薬品臭は、樽材の由来成分としては何からくるか
Q② ミズナラは北米産の材に比べ、どんなことに注意が必要か
Q③ ニューポットを樽に詰める工程をなんというか
Q④ ワイン樽の材料などで知られるフレンチオークをなんというか
その学名は
Q⑤ バーボンウイスキーと、コーンウイスキーで使う樽の違いはなにか
答えは追記
A① リグニン
A② 水分透過性が大きく、液漏れし易いため、側板の厚みを多くするなどの工夫が必要
A③ バレルエントリー
A④ セシルオーク
クエルクスペトラエア
A⑤ バーボンは、内側を焦がした新樽を使用するのに対し、コーンは古樽か、内面を焦がさない新樽を使用する
#WPへの道