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ウイスキーに携わる人々(8)

          

(スコットランド・スペイサイド地区)ウイスキーに関わって来た人々の話です。スコッチウイスキーへの情熱が伝わってきます。「ジョー」ちょと面白い表現ですね。

スコットランドの水は軟水で質が良いです。 軟水ということは重要です。
石灰ではなく、花崗岩の上を流れます。 石灰の上を流れる水は硬水です。
質のいい軟水が必要です。
スコットランドにある全ての蒸留所はこれを持っています。
蒸留所において一週間で使われる水の量を教えられると驚く人もいると思います。
このほとんどは冷却のために使われます。
規模の大きな蒸留所の中で、一週間で3百万リットル以上の水を使うところもあります。
従って、このようなところでは降水は非常に大切な要素です。
今我々がいるのはマッシュ・ハウスです。
覚えていると思いますが、製粉機の置き場から運ばれたグリストはこのビンの中に入って、これからマッシング・マシーンを通して、マッシュ・タンに移動されます。
マッシュ・タンとはこの鋳鉄のタンクです。同時に側面からお湯を加えますので粥のような混ざった状態で入ってきます。
つまり、この段階までは粥作りのようです。
ここでは、グリストから糖やでんぷんを振り落として、グリストを通して水を引いて、そしてタン・ルームまでポンプで送ります。
なるべく簡単な機構を使います。
例えば、できたら二つのバルブの役割を一つのバルブでカバーします。
ここにあるもので、一番コンピュタ一に近いのはこの板です。
タンクまでぶら下がるプーリーやひもで動きます。
タンクの中で浮いている木製ブロックの上下の動きに合わせて、指針の板における位置も動きます。これで、作業者はタンクの中の深さが分かります。
深さから容積が計算できます。この機構では技術者に故障を治してもらう必要はありません。
.ここはタン・ルームです。 マッシュ・タンから流れてきた2種類の水はここにポンプで送られます。
酵母は加えてあります。 2種類目の水を送った後、集めたワッシュの量を記録します。
このために、このディップスティックを使います。およそ36,000リットルはあるはずです。
過去に、発酵させたワッシュのことは「ジョー」と呼ばれていて、これは大量に飲まれていました。
ある蒸留所のマネージャーは自分の蒸留所でジョーが大量に飲まれていたことに対してうんざりしていたので、マグカップ、ジャム入れ、ペイント・ポット等、現場にある全ての器を隠したという話は聞いたことがあります。次の日、作業者が着いたときにすごく驚きました。器がないということで皆は機嫌が悪かったのです。ある人は特に怒っていました。
午前中は不満げに働いていました。 しかし、午後に突然機嫌がよくなりました。
どうも、ジョーを飲める方法を見つけたようでした。
最初は誰もこの方法を知りませんでしたが、2週間後に明らかになりました。
飲みたい気持ちのあまりに靴を脱いで、ロープを巻き付けて、ワッシュバックにぶら下げて、そしてそのとった中身を飲みました。
信じられない話ですよね。しかし、本当のことです。

注 意 : この内容の無断使用は出来ません。

#スコットランド蒸留所、風景

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