10年への旅5Whisky&WifeNo16
プレハブ作りのような2両列車が、右手の海岸から離れ陸地入ると、カタカタと車両を振るわせながら余市駅に到着する。
「小樽」の煉瓦造りの観光名所のよそよそしさと比べ「余市」は海岸が近い生活の匂いのする懐かしい町だった。
駅舎の正面200メーター先に誌面やパンフレットで飽きずに酒の肴にしたレンガ造りのアーチが見える。
駅舎以外にはお土産物屋さんもなく閑散としているのに、人々が大勢いたような匂いのする町並みで、海産物が多く陸揚げされた頃には賑わっていたであろうと思われる。町が外に向かって解放的でそして懐かしいせいだろう。この日の夕方自由時間にホテルの近くを散歩した時により強く感じたのだった。
そして、今は「余市」はニッカ「蒸留所」の町になっている。
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