10年へのたび2・Whisky&WifeNo10
ワイフは上のベッドで寝ている。
ベッドに体を沈め車窓からの風景を私は飽きずに眺めた。
小さな木造屋根のプラットフォームには手づくり座布団が長椅子に添えられている。横のガーベラの花が水銀灯で赤紫に照らされている。名も知れない通過駅には、看板になり入口辺りを初老の女性が片付けている。
料理とワインと眠不足のせいだろう、いつの間にか眠った。
真夜中に列車は後ろに戻っている。スイッチバックし青函トンネルへ進む。
重い頭を持ち上げコンパートメントの車窓に近付いた。また瞼が閉じる頃「トワイライトエキスプレス」は青函トンネルに入る。
10数分トンネルを照らす蛍光灯が単調に続き、防災倉庫に見える青函トンネル内の駅を通過する。
全く同じ二ツ目の駅が再び現れた。
出口を見ようと待が、トンネルを30分以上走行しているのに同じ光景で、入口とも見ず、再び寝入ってしまった。
結局、初青函トンネルは長くそして地下駅が2か所ある。車窓からのイメージは放送終了後のテレビのホワイトノイズが近い。
陽が明けやらぬ朝、手つかずの北海道原生林が待っていた。
つづく。
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