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肴と酒に関して(その1・造り盛り合わせ)

 無性に造りが食べたくなって、小料理屋に飛び込んだとしよう。

 今日のように暑ければ、まずはビールというのが一般的。やはりジョッキよりもビンが似合う。1杯目は当ては自分の乾きぐあいで十分。一息ついてから、八丁をつまみながらのどを潤す。落ち着いたところで、注文の造り盛り合わせが出てくる。

 このときの注文の仕方は「鱧の落としはある?(ハイ)そしたらそれと、あとは見繕って盛り合わせて」なんていうのが、なんとなくカッコいい。まちがっても大阪人をしてはいけない。「それなんぼ」とか「好きやさかい、まけといてや」とか。

 この時期の大阪の小料理屋に、鱧が無いなんてことはまず考えられない。

 真っ白な鱧の落としの上に、チョコンと梅肉が乗っていて涼しさを演出してくれるのが嬉しい。あとは鱸の洗いと太刀魚なんて最高。

 これを見たら、「すっきり目の純米酒、何か頂戴」という注文がすんなり口を突く。鱧の甘みを引き出してくれる梅肉の酸味とわずかな塩味。これを増幅さしてくれるのは、かすかな吟醸香と日本酒ならではのとろみ。照りは強くなく、艶のある物に当たるとこたえられない。体のほてりが消えていく気がしてくる。

 肴が酒を選ぶのか?自分が酒を選ぶのか?

 無性に腹が減ってきたので、続きはまた。

#つまみ

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