今年もオリジナルブレンディッドウイスキーを、空いたタプローズの樽に約20リットル作って来た。
9月10日の開店記念日の前には、皆様にお披露目する予定だ。
昨年は直前に作ってすぐに店で出したためか、最初はバラバラな感じが残ったブレンディッドウイスキーをお客様に飲んで頂くことになったしまった。約1ヶ月が過ぎてからやっと落ち着き、それぞれの酒の香りと樽の香りが融合して、その頃になってようやく私が期待したウイスキーに仕上がった。
少しは学習した結果もふまえて、WSJ様の協力もあり、今年は約2ヶ月前から仕込む事を企画し今日(正確には昨日)ブレンドしてきた。中身を公開する予定は無いが、グレンウイスキーの代わりに使った安価なブレンディッドウイスキーとバテッドモルトは別にして、残りの10種類のモルトウイスキーの蒸留所を嗅ぎ?飲み?分けた方には、何か進呈したいと思っている。
それよりも、次のオリジナルブレンディッドウイスキーを作る際には、ブレンダーとして採用したい。もちろんブレンダーとしてのギャラほどではないにしろ、アルバイト代ぐらいは用意できるだろう。
最初に、WSJの方が考えたレシピを頂いた。その中に飲んだことのないモルトウイスキーも有ったが、蒸留所名と組み合わせから考えて、非常に重たい感じに仕上がりそうに思えた。それを見ながら私なりに削る酒と加える酒を考えはしたものの、実際に作って飲んでからでないと結論は出せないと言うことで、作りながら調整していくことになった。何も伝えないで出てきたレシピであり、私のイメージする仕上がりと違う気がした。
私の今までに飲んだブレンディッドウイスキーの中で、鮮烈な衝撃を与えられた物の一つに「ダブルシングル」がある。非常に飲みやすく優しさのある酒に思えた。スコットランドに行った時にクレイゲラヒホテルのクエイクバーで飲んで、即座に1本購入して帰った。モルトウイスキーを探しに行って、ブレンディッドウイスキーに頭をどつかれた気分になった酒である。その後ちゃんと日本に輸入されはしたが、当店がきっと日本で1番先にこれを販売したと思う。
この酒は非常に軽やかで明るい酒に仕上がっていた。コンセプトが「ピクニックに持って行きたくなる酒」で、シングルモルトとシングルグレンそれぞれ1樽をチョイスし、それを秘密?の比率でブレンドして作り上げたという話である。
他にも好きなブレンディッドウイスキーも有るのだが、誰もが安心して飲める値段で、何時飲んでも美味しく、お代わりしたくなる、ということになると数少ない。そこそこ良い値段で、1杯飲むと満足できて、それで帰ってしまえる酒はたくさん知っている。どちらかというと軽めで、もう一杯飲みたくなるような、品のいい酒を目指してブレンドしたかったのである。
(つづく)
#ブレンディド