MENU

処女と熟女

 男にとっては、処女も熟女も隠微な響きに聞こえる。
 本当に同じ女性の処女から熟女までを知ろうとしたら、相当な年数がかかる。
 せっかちでは味わえないのだ。

 そんなせっかちな方に、ほんの数時間で処女から熟女までを味わう方法を伝授しよう。
 素晴らしいワインの栓を抜いてください。
 そのままグラスに注ぐと、処女の味である。
 そこで焦らずに時間を掛けなければならない。すぐに成長するわけではないのだから。
 それをデキャンティングして、数時間開かせれば熟女の味が楽しめる。
 数時間で、処女から熟女までしっかり味わえたでしょう(笑)。

 モルトウイスキーでも、10年未満の若いものから30年を超えた熟れたものまで、それぞれに味わいが違う。
 3年たたないとウイスキーとはいえないので、処女は3年ものということになるのだろう。基本的にモルトウイスキーとしてボトリングされることはほとんど無く、サンプルという形で何度か味わった事がある。ニューポットの香りが抜けきっていない(小便臭い)部分が残っているものが多かった。のどごしも荒っぽく角が取れきっていない(自己中的な)部分もあり、柔らかさに欠ける(肉付きが悪い)部分も残っている。
 30年を超えれば熟女のモルトウイスキーと言えるだろう。香りは複雑でふくよか(肉付きがよく)で、グラスの中で時間を置くなり水を加えるなりしたら別の酒に変化する(上手に化ける術を持っている)。

 若くても素晴らしい酒もある。お年寄りで素晴らしい酒もある。味は年齢には関係ないのだ。値段は年齢に関係があって、だいたい熟女の方が高い。
 若い女性とのデートなら食事をファーストフードで済ましてしまうことも出来るが、熟女とならばそこそこの店で飲み食いすることになる。デート代と酒の価格は連動しているのだ。

 貴方はどちらがお好き?

#徒然なるままに

この記事を書いた人