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一見さんと常連さん

 一見さんと常連さんが、同時に店内にいらっしゃる時間ができるのは致し方ない。
 カウンターの前では誰もが平等というのが私の考え方である。歳が若かろうが老けていようが、金持ちであろうが無かろうが、常連であろうが一見であろうが、グラスの中の酒を楽しんでいただくことにおいて何も変わりはない。
 しかし、ついつい一見さんに集中してしまう自分がある。常連さんに対しては、ほったらかしにしても許して貰えるであろうと、非常に甘えてしまう。それが常連と言われる所以では無かろうか。

 暇になった常連さんが一見さんに声を掛けて、みんな仲良く話が弾めば問題は無い。
 俺は常連だからね。ちゃんと知ってるんだからね。だから教えてあげるよ。で、正しい知識であれば文句は言わない。
 そこ違うから。何か話がすり替わってるよ。と、つっこみどころ満載の場合に困ったことになる。

 このブログを見て来てくださる方も多い。中には私など足下に及ばないほどモルトを飲んでおられる方もお見えになる。
 一見さんが常連の方に、そこは違うでしょ、とつっこまれたら、私は何をしているのか疑われてしまう。
 ブログ同様、店で酒の話をするよりも、酒以外の話をしている事の方が多い。質問された場合に限り、酒の話をするようにしている。常連さんの中には、酒の話をしたことがないお客様までいらっしゃる。

 美味いもんは美味いで、酒を楽しめばいいと思う。
 グラスの中の琥珀は、貴方に飲まれるためにあるのだ。

#徒然なるままに

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