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米屋に米を買いに行く

 ごくごく最近まで自炊をするなどとは、夢にも思っていなかった。何年にもわたって、朝は喫茶店でモーニング、昼は適当にランチ、夜は居酒屋で1杯飲みながら適当につまむ、終ってからもう一度べつの居酒屋で打ち上げの日々を送ってきた。

 自分で料理?を作ったのは久しぶりである。スーパーマーケットの食品売り場を歩くと、食べたい食材が山ほどある。ハーフサイズで売ってくれないものだろうか。毎日その日の分を仕入れるなどというのは無理で、ともかく冷凍にできるものは小分けして冷凍庫に直行。その日使う分だけを冷蔵庫に残しておく。

 野菜も色々欲しいが、そんなにあっても食べきれない。だんだんと色々残ってきたので、まとめて処分するにはカレーを炊くしかないと思い立った。ニンジン・ジャガイモ・ナス・タマネギ・セロリを炒めては寸胴の中に放り込んでいった。見ると寸胴が一杯になっている。スープを加え煮ること数時間。見事な野菜スープが出来上がった。そこへ鶏肉を加えると、減ったはずのスープがまたもや増量。仕方ないので、タマネギを買い足しに走り、5個分をみじん切りに。香辛料を加えバターで炒めること小1時間。ルーを作るのって大変だと思いながら、やっとの思いで炒めきり、寸胴へ。やっぱり寸胴が満杯の状態。

 仕方が無いので、ここ数日間は毎日カレーを食べ続けた。たまにはスパゲッティーやうどんにも使ったが、基本的には米と一緒に食べることが多い。あっという間に米櫃が空になってしまった。いつもはスーパーマーケットで米を買うのだが、近所の米屋さんに出かけた。

 米屋の親父さんに薦められるまま、やや高級な米を買ってみた。教えられたとおりに水加減して炊くと美味いの何の。カレーライスにするのが惜しくなり、今日はカレー抜きで過ごせた。カレーの文化は、不味い米と共に育ったのではないかと疑いたくなった。

 美味い米と美味い水から造られた「命の水」の美味さは知っているのに・・・

#徒然なるままに

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