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駆け抜けた43年間に献杯

再びコンバンハ・・・続きをしたためる猫バーの店主参段ですcat。かなり長くなりました

昨日のお葬式の日は曇ったり晴れたりで冷え込んでいた・・・時に気ままに照りつける太陽が体を温めてくれる・・・徐々に天気は回復して晴天となった。

お葬式が始まる前に・・・久しぶりに会う方、面識のある方、初めてお目に掛かる方いろんな方とご挨拶をした・・・お経が始まる・・・お焼香が始まる・・・すすり泣く声が響く室内でそれらはまた淡々と進められていった・・・恥ずかしながらお通夜の時までお焼香の仕方がわからなかった・・・前の人の仕草を真似してみた。

祭壇に祀られた若旦那の遺影は本当に良い顔をしていた・・・とてもにこやかで素晴らしい笑顔をしていた・・・若旦那との今までの思い出・・・喧嘩した事、一緒に笑った事、喜んだ事、怒った事、悲しんだ事・・・お経を唱えていらっしゃる間はそんな事をずっと振り返って考えていた。

いよいよ最後の顔合わせ・・・献花を参列者の皆様で棺桶の中に敷き詰める・・・花で埋め尽くされて顔も見えない位に敷き詰められた・・・最後になる息子との対面に・・・皆に見送られる幸せな息子に・・・返事をしない息子に話し掛けている生駒のおかんを見た瞬間にずっと堪えていた涙は堪えられずに流れ出た。

出棺となり参列者でお見送り・・・経験が無いので段取りがわからずに居た・・・親族の方を中心に親交が深い人達だけが火葬場に向かう・・・電車で来ていた僕らに車は無かった・・・どうしても行かなくては・・・「行こう!」・・・徒歩10分の火葬場までtamaちゃんと彼女と走った・・・慣れない革靴、高いヒールで必死に走った。

棺桶を火葬場に入れるのには間に合わなかった・・・履き慣れない新しい革靴に靴擦れした所が痛かった・・・高いヒールを履いていたtamaちゃんと彼女はより一層痛かっただろう。

火葬が終わるまでの2時間ばかりの時間は近くで親族の方たちと昼食をした後、お骨を拾う為に再び火葬場に戻る・・・若旦那は僕らの前に白く綺麗な骨になって現れた・・・もう顔を見れない悲しみとこれでもう苦しむ事無く天国で大好きなビールをたらふく飲めるかなぁという安堵感とが入り混じっていた。

皆で骨を拾う・・・はっきりと綺麗な仏が皆に見せられた・・・交代しながら骨壷にお骨をいっぱいになるまで入れていく・・・無言の時間が流れる・・・一巡して皆が手を止めた・・・骨壷にはもう入りきらない位だったと思った・・・でもしばらくしてもずっと手を止めずに一人で出来るだけ沢山の骨を入れようとしている大将を見ると・・・今まで毅然としていた大将だから・・・落ち着き始めた時にでもまた目頭が熱くなった。

この日に初七日の法要も一緒に行うという事だった・・・全てを終えて皆が帰路についた・・・tamaちゃんと彼女は先に車で送ってもらっていた・・・僕は大将とおかんと若旦那の先輩の車に乗せて昭和町へと向かった。

僕は助手席で昭和町へ・・・生駒寿司に帰る若旦那の遺骨を抱いていた・・・軽くなってしまったけど思ったより重いなぁと感じながら大事に生駒寿司まで一緒に付き添わせてもらった。

それから猫バーに帰った彼女とtamaちゃんにお疲れ様と声を掛けた・・・臨時休業をしている以外は普段の一日に戻ったようだった・・・しばらくカクテルの研究をやっていた・・・いろんな話をした・・・普通の他愛ない会話・・・誰も特に意識等していなかった・・・でも魚の話、お寿司の話となるとやっぱり若旦那の話になった。

若旦那には本当にいろんな事を教えてもらった・・・いろんな事を経験させてもらった・・・振り返ればキリが無く話題は山の数ほど・・・いつの日か天国で・・・とりあえずビールから始めて長熟のカスクのモルトをたらふく飲みましょう。

温めていた企画の寿司とモルトのマリアージュはとうとう実現できませんでしたね・・・今日で寿司バーは卒業です・・・これからの猫バーは僕とtamaちゃんと猫バーを支えて下さる多くの皆様と一緒に育んでいきたいと思います・・・小さなバーですが、多くの人が集うバーに良いバーと言って頂けるバーに・・・若旦那が愛してくれた昭和町らしく気取らない下町らしい猫バーにしたいと思います・・・天国で見守って下さい・・・今までと変わらずずっと天国で応援していて下さい。

最後のお別れの2日間には若旦那の元に多くの人が集いました・・・日本全国から多くの方が大阪の空に向けて献杯をして下さいましたface02

生駒寿司の若旦那・・・あなたが駆け抜けた43年間の人生に献杯malticon12

#日々の出来事

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