第2部のテーマは、「イタリアのモルト・マーケット」「代表的なイタリアン・ボトラー」「ロマノ・レヴィ」でした。
シルヴァーノ・サマローリ氏は1968年からインディペンデント・ボトラー、サマローリ社を運営されているイタリア最古のボトラーです。元々は酒の小売営業をしていたそうで(!)、才覚があったんですね~。今では当たり前ですが創業当時はカスクストレングスでのボトリングは珍しかったそうです。
ハイスピリッツのフィオリ氏はG&Mの先代の社長、ジョージ・ウルクハート氏の協力により、レストラン経営を辞め、インタートレード社を設立、現在のハイスピリッツ社に繋がったのだそうです。80年代はまだモルトウィスキーが安かった、とも。
そして最後はムーン・インポート社のモンジャルジーノ氏ですが・・・数年前、サマローリ社とムーンインポート社の共同企画でリリースされた「ドリームス」シリーズは記憶に新しいところですね。
田舎モノなので、15時30分には会場を後にせねばならず、先ごろ亡くなったロマノ・レヴィ氏の話も聞きたかったのですが、残念ながら第2部のプレゼンテーションの途中で、最後尾からそっと退席させてもらいました。(第1部の時も入口付近に座ったのですが、途中でニンニク臭い若いバーテンダーが隣に座ったので、前に移動しました。ただし、もおう若くは無い?芦屋のマスターではありません念のため^^v・・・試飲が伴うセミナーの場合はニンニクの入った料理は食べないようにしましょう♪)
さて、前回予告した「なぜオールド・ボトルを取り扱いしないか?」の答えです。
・・・休憩中にナディ・フィオリ氏をつかまえ、
「フェイク・ボトルについてどうお考えですか?例えば19世紀のボトルが日本でもバーで飲めたり、イギリスのオークションで出品されていますし、私も1888年のタリスカーのボトルの経験がありますが?」と質問すると
彼は1歩私の方へ近づき、私の肘を取り、顔のすぐそばで・・・
「19世紀や第2次世界大戦以前のボトルはオールド・ボトルではなく、アンティーク・ボトルと呼ばれています。」
ここでより一層声を潜め・・・
「正直なところ、殆ど全部がフェイク(贋物)です」
とのこと。
(はああ、やっぱり、噂通りなのね~)
そしてさらに気になっていたことを質問しました。
「精巧な贋物を作るプロの技術者が贋物のアンティーク・ボトルを造ることができるのなら、1940年代~1980年代のオールド・ボトルの贋物も造ることができますよね?」
するとナディさん、眉間により一層の皺を寄せ
「おっしゃる通りです。残念ながらフェイクのオールド・ボトルもたくさんあります。4~5年前にその件で友人であるDブルームとも話しました。だいたい、スコットランド人と日本人は人が良すぎます。我々イタリア人は、まず贋物ではないか?と疑うところからスタートしますが、彼らはしない。おかしなことです」などと
おっしゃって苦笑されてました。
(なるほどね~)
「贋物を造って市場に出している有名なイタリア人も居ますからね~」と日本語で言うと、JISの通訳女史は英語に訳さず笑ってました。
「買わない方が良いですよ」
最後におっしゃってました。
さてもう皆さんお気付きの通り、私がオールド・ボトルの取り扱いをしないのは、予算が無い、ということ以外に、贋物をつかまされるリスクが高いからです。ただし、経験は少ないのですが、東京などのバーでおすすめオールド・ボトルが出てくると飲ませてもらいますし、(あれ?フェイク?)と思ったことも殆どありません。
念のため書き添えておきますが、現在、日本のバーで飲めるアンティーク・ボトルやオールド・ボトルの殆どがフェイクだろうと言っているわけではありません。オールド・ボトルの殆どは本物でしょう。要は、数百万円から数十万円するボトルですから買う時は慎重に、そしてバーで飲む時も、一杯数万円なわけですから、慎重になった方が良いのではないか、ということです。
(貧乏人のひがみ?)
最後になりましたが、貴重な体験をさせてくださったJISの皆さんに心から感謝申し上げます。
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