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OBマッカラン1974-1992(18年)

 

OB Macallan 1974 (マッカラン1974)
Imported by Giovinetti Figli – Milano

Aged 18 Years
750ml 43.0%
Distilled: 1974
Bottled:1992

オススメ度(7)
☆☆☆☆☆☆☆
価格:某所では53000円(2010年8月時点)

香り:上面に広がるシェリー感、若干アルコールと乳酸系の酸味、松の木、レーズン、後半生キャラメル。
しっとりとした甘さと焦げたような若干のビター感、オールドマッカランらしいシェリーで、
香り立ちは若干のヒネも感じるが、強いものではなくすぐにシェリーに取って代わる。

味:スムーズな口当り、皮付きの葡萄またはサルタナレーズン、麦チョコ、上質なシェリー感でボディはしっかり複雑だ。
余韻は染み込むように残るシェリー感、上品な甘さ、スパイスはひかえめで少しピリッとした感覚を残して心地よくドライ。
現行18年、一つ前の18年には無いボディの厚み、複雑さがあり、その差は加水することでより顕著に現れる。

コメント:今週一週間は仕事がちょいと忙しく、更新が不定期な時間帯になっているくりりんです。
今日の一本は、個人的にマッカランのターニングポイントと感じている、1974年蒸留のマッカラン。

BAR等で「マッカランは60年代まで、70年代からは良くないね」こういう話をたまに聞きます。
現行品に関しては激しく同意なのですが、これはネット上のログを辿ると、今から見れば旨かった一つ前のボトルのころから、言われている話であることが分かります。

ではなぜ70年代からダメになるのか、確かに60年代のマッカランは素晴らしいモノを持っていますが、何がそれを変えてしまったのか、70年代、80年代は本当に60年代のマッカランとは別物なのか。

私はビンテージごとにオフィシャル・マッカランを飲めているワケではないですが、いくつかビンテージを飲ませてもらった経験から
70年代初頭は60年代に対してそう変化は無く、70年代後半から80年代に掛けて“ボディ”に変化があり、現行品では全てにおいて致命的なモノとなった。と感じています。

マッカランに違いをもたらしたモノとして考えられる要素を考えると・・・
①70年から本格的に流通の始まったゴールデンプロミス種の導入
②1971年に始まった自社での樽製造(1973年ごろより自社樽での貯蔵開始)
③1974年に実施されたマッカラン蒸留所の蒸留設備増設工事(これにより蒸留器が12基から18基に増設)
※ソースが発見できませんでしたが、この工事の際に発酵槽が木製からステンレスに変わったと某BARのマスターから聞いたことがあります。
④スコッチウィスキー業界における良質なシェリー樽不足

上記4点が考えられます。
その中でも②は、これまでアメリカンホワイトオークのシェリー樽主体だったマッカランが、④の影響を受けて
スパニッシュオークで作成する自社樽に方向転換した、未来のマッカランに大きな影響を与えるハナシで、現行品ベースで考えれば、味としては明確なボーダーです。
しかし60年代、70年代の酒質の違いに限れば、たとえ原酒を1973年から自社樽に貯蔵しても、マッカランの製品のグレード上まともに使えるようになるのは10年、12年後の1980年代に入ってから。
まして25年等のハイグレードモデルの原酒までまかなうことを考えると、新方針の原酒が使われていくのは2000年代以降ということになり・・・
これは憶測ですが、このマッカラン製造の樽で作られた原酒が本格的に使われ始めたのが、2004年頃に大幅なラインナップの変更があった以降の、現行のマッカランなのではないかと考えています。
なので、その前の旧ボトルから言われている60年代、70年代うんぬんの話にフォーカスすると、別な要素があるように感じます。

考えられる理由、年代の線引きは、私は①が有力かなと思いつつも、③の蒸留設備増設工事が明確なターニングポイントになっているのではと感じます。

まず①についてですが、ゴールデンプロミス種の導入による、スピリッツの出来の変化。
定量の麦から出来るアルコール生産量がゴールデンプロミス種によって飛躍的に向上するわけですが、
このゴールデンプロミス種の使用量が徐々に70年代初頭から増えていくことで、ある年代から明確に違いがでるようになる。
例えば70年代は、70年や72年などを飲ませてもらうったとがありましたが、60年代とそん色ない印象です
(ゴールデンプロミス種の収穫は68年ごろからはじまっている)

また、③の蒸留設備増設工事により、大量生産にさらにシフトし、発酵槽が本当にここで変わっていたとしたら、
その後80年代に入ってのマッカランのボディの薄さは非常に納得いくものがあります。今回1974と1985の18年をそれぞれ飲み比べしましたが、
香りという点では素晴らしいシェリー感が双方にありつつも、ボディは明らかに85が薄くなっていました。加水するとより顕著に特徴が感じられます。
(この発酵槽のハナシについて、どなたか情報お持ちの方いらっしゃったら、ご教授ください。)

さて、このハナシのまとめまでもうひとつ、ふたつ頑張りってところなんですが、・・・大変眠くなってきた&時間も4時なので今日はここらで切り上げます・・・

まぁ、70年代に入って上記①~④の影響を受けてれば、そりゃなんらかは変わりますねってコトは容易に見て取れます。

んーまとまりの無い文章です、この話はちゃんとまとめないとなぁ。

オマケ、ウィスキーキャットと飲むマッカラン。
こういうのも癒されますね。

~余談~

ようやく今週も終わって週末なわけですが、今夜は三鷹に戻ります、つまりBURNSです。
明日はアイラバーのテイスティング会(ドロナック&ベンリアック)に顔を出す予定です。

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※8月13日、持ち込みボトル情報UPしました。

#マッカラン

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