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エミリーの視点

「エミリー・ウングワレー展」は再度見に行きます。
図録を読んで、彼女の生きた世界を垣間見たいま、改めて画を視たいのです。

ところで、彼女の作品についての説明で、“西洋美術との接点が全く無かったのに、近代西洋美術との類似性が見られるのは奇跡的”という意味合いの説明があったりしますわな。
西洋絵画の文脈にない絵画を、わざわざ西洋絵画の文脈に当てはめて評価しなくていいと思うんだよなぁ。
文化は相対的なもので、西洋文化も数ある文化の一つでしかないのだから。

ところで、西洋美術で抽象と呼ぶ表現も、彼女にとっては具象的な表現ではなかったかと思う。
古代エジプト絵画における正面向きの体と横向きの顔、足の不釣り合い。
現代人が見ると不釣り合いと見えても、古代エジプトではそれが正しい表現だった。
“物体はその特徴を最もよく現した角度から描く”というルールに則っている。
現代の写実と言われる絵画では、それが“物体は全て一つの視点から見た姿を描く”というルールに変わっただけで。

エミリーに話を戻すと、彼女のルールは何だったのか?それが知りたい。

自分と異なる視点を知ることで、自分の世界が広がるから。

#文化芸術方面

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