昨日のミステリー・モルトに選んだ『グレンドロナック 15年』のご紹介です。
ハイランドとスペイサイドの境界線に位置するグレンドロナック蒸留所は、スペイサイドに分類される事もあるようですが、一般的にはハイランドに分類されています。
1826年に田舎地主の息子であったジェームス・アラデスによって創業され、地元の有力貴族である第5代ゴードン公の愛飲するウィスキーとして人気を博しましたが、1837年に火災により焼失。その後、再建されましたが様々な所有者の手を転々とし、1960年にウィリアム・ティーチャーズ社が買収し、現在はアライド・ドメック傘下のアライド・ディスティラリーズ社の所有となっています。
「グレンドロナック」とはゲール語で「黒イチゴの谷」の意味で、大麦の一大産地として名高いフォーグの谷に在り、原料の大部分に地元産の大麦を使用しています。
一部フロアモルティングを行ったり、蒸留に石炭の直火炊きのスチルを使用するなど、現在も頑なに創業当時の伝統的な製法を守り続けている蒸留所です。
以前は、プレーンオークで熟成させた12年物とシェリー樽で熟成させた12年物の2種類をそれぞれ「オリジナル12年」として販売していましたが、やがて『トラディショナル12年』と言う上記の2種類をバッティングしたボトルが発売され、その後の1997年頃からシェリー樽のみで熟成させた15年物が出回るようになりました。
甘くてフルーティーな香りに、チョコレートの様な力強い樽の香りが重なります。
コクがある味わいに程好いスモーキーさ、驚くほど豊かに広がる果実味やシェリー香を感じますが、喉越しは意外にスムーズで穏やかな後味を残します。
ほとんどの方に美味しいと言って頂ける出色のモルトだと思います。
しかし現在ではこの15年物も終売となり、巷では全くと言っていい程見掛けなくなってしまいました。
その後釜として2004年の終わり頃から、シェリー樽とホワイトオークバレルのダブルカスクマチュアードの『オリジナル12年』が、オフィシャルボトルとしてリリースされています。
こちらは15年に比べ、シェリーの特徴はゆるやかになりましたが、スムースな口当たりで気軽に飲めるモルトに仕上がっています。
GRENDRONACH 15年 40% 1300円/30ml
【来週のトライアル セット】
ホワイト&マッカイ (ブルーラベル)
ダルモア 12年
オールド・フェッターケアン 10年 1500円/各20ml
【12/22のミステリー・モルト】
??????????????? 1200円/30ml