MENU

テロワール。余韻。残身。

革靴を履いたら眠くなる若造です。

今日の営業も無事終わり。無事?いやぁ。

クラナドはモルトバーではないのですが、モルトにこだわりを持っているつもりです。もちろん、ワインもシャンパンもカクテルも持ってます。逆に他には持ってません。

試飲会もない田舎の、弱小バーなので、うまい確信がないと買いません。逆にうまいらしいものしか買わないと言う事は、うまいもんしかないはずなんです。

さらに逆に、「まずい」ウイスキーが例えあるとしたら、買わない努力をします。

それから先に、嗜好品感があるのかも。否ー。

ウイスキーの余韻は長いです。

概ねアルコール度数からくるものかもしれません。でも長いです。

飲み込むのに時間がいると思います。

しかし、その中にテロワールがいっぱい詰まってるのです。テロワールとは、この場合は熟成期間中にウイスキーが得た風土の旨みです。海辺で潮、とか山辺の花、とか。水とか。ワインの言葉ですが。

もちろん、香りの中にもテロワールはたっぷり。むしろ余韻でよりも感じやすいと思います。まぁ飲み物なんで、それは助走として・・・^^;助走はめちゃ大事です。幅跳びとかでも。取り合えず飲んでからの話です。

ウイスキーは、基本注ぐだけです。基本?よくわかりませんが、基本注ぐだけと表現してみます。

ざくっと色々飛ばして、飲み手は余韻を愉しむ権利があります。目の前にグラスがある限り、余韻を楽しめます。

余韻を愉しんで欲しいなあと思います。別に愉しまんでもいいなぁとも思います。

でも阻害したらいけないなぁと心から思います。

ウイスキーの、指の先、爪の先、髪の毛の先っぽまで染み渡るような余韻は、他の酒にはないものだと言ってみます。

その余韻と引き換えに、初心者への飲みにくさと、飲みにくさから伴う社交性のなさがあると言ってみます。

だから一人になれる。時間を忘れられる。ゆるりできる。と思います。と言ってみます。

本題です。前振りなが。

ビールを飲む方と、ワインを飲む方、カクテル、ウイスキーの方に対して、主に話しかけるタイミングを意識的に変えてます。

細かくは割愛します。

ビールを、ワインを、カクテルを、ウイスキーを、うまいもんをうまいもんなりに適切に提供したいと思います。

特に注ぐだけのものだったら尚更。

カスクのウイスキーは、爪の先や髪の毛の先に行き届くのには少し時間がいると思うんです。3秒くらいは。私は5秒くらいはいります。

2秒じゃ届かないと思うんです。個人差はあると思いますけども。でもたまに指の先からビームのように突き抜けていくようなものにも出会います。フリーザさんです。ところどころ適当なこと言ってます。

意外とこの数秒が、微妙な気まずさを演出するに十分な数秒だったりもするんですが、せっかくの1杯を最後まで感じて欲しいとも思います。パスタのソースを最後まで頂くように。
余韻を最後まで召し上がって欲しいと思います。テロワールが詰まってますよ。

そして、ただ注ぐだけのものを、こちら側が最後まで見届けることを、武道などでよく使われますが「残身(ざんしん)」と、名づけます(クラナド公認。笑)。

テロワールを感じるには、(香りと)余韻が必要で、(香り)と余韻を感じるには「残身」が必要だと思ってます。

もちろん、技術、経験、知識も。あと、一足一刀の間。

でも結局は、酒も、空気も、空間も、お客さんも、みんな好きです。小鉄君も好きです。

#ウイスキー

この記事を書いた人