主役のお客さんは、グラス以外の小道具を手にすることは少ない。準主役は、バックバーに並ぶボトル達であろう。小道具を使うのは、基本的にバーテンダーである。シェーカーを振りたくて、この世界に飛び込んでくる若者も多い。
どこのバーにでもあるものと言えば、バースプーン・メジャーカップ・アイスピック・シェーカー・ミキシンググラスなどが思い浮かぶ。色や形も様々なものが売られているが、自分の手になじむものは、意外と少ない。気に入ったものがダメになって、いざ買いに行くとどこかしっくりこなくて、同じような売り場をウロウロさせられる。
先日おじゃましたバーには、マスターが集められた酒に関する本が、バックバーのボトルの間に飾ってあり、気になる本をその場で読ましてもらえる。本の種類も多く、読みたい本がたくさんあったので、時間をかけて通いたくなった。なかなかお洒落なサービスだと感心した。(広いバックバーがうらやましかった。)
自分の店の小道具達の中で、国語辞典と英和辞典はあまり他の店にはない。お客さんのいない時間に(しょっちゅうあるのよトホホ)、川柳を作ったり本を読んだりするのだが、意外と辞書が必要になる。語尾変化や送り仮名など、忘れていることが多い。
お客さんとの会話の途中で、それなに?ということがある。すぐに辞書が出動する。頭で分かっているけどうまく説明できないものって、けっこう多くないですか?なんとなくこんな使い方で合っているとは思っても。
シェーカーより辞書が多用される店
あまり自慢にはならないか。
#本