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釜揚げしらす

 春の訪れを感じさせてくれる食べ物の一つである。
 向かいの餃子屋の奥さんが、和歌山の実家に帰ったらお土産に買ってきてくださる。
 釜揚げしらすって、和歌山と静岡でしか作られないのだろうか?高知はドロメというが釜揚げは見たことがない。

 しらすって、基本的にはイワシやウルメイワシやカタクチイワシの子供である。
 バッチ漁(2隻の船が繋がっている網船と網を絞ったときに取り込む伝馬船)で取る方法が主で、よくあれだけ細かい魚だけを選んで捕れる物だと不思議である。
 イカや他の小魚も混ざっているのが、いかにもより分ける手間をかけず、湯がくまでの時間を短縮しているから美味いのではなかろうか。
 
 そのまま食べるもいいのだが、大根おろしと合わせたり、かき揚げにしたり、サンドイッチの具にしたりもする。
 サンドイッチにするときは、バターを塗って梅肉を付けてから、釜揚げしらすを挟むと非常に美味しいのだ。
 通風持ちの私は食べ過ぎに注意の食品ではあるが、美味い物は美味いのだ。

 バクバク食べていると嫁に”そこへ直れ”と正座させられる。
 しらすの始まりである。

#徒然なるままに

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