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どうぞどうぞ・・・

 譲り合いの心を持つことは非常に素晴らしいことである。電車で席を譲る若者を見た時は「こやつ出来るな」という目で見てしまう。急いでいるときに黙って追い越し車線を開けてくれるドライバーにも同じ思いを抱く。
 
 つい先だって、立ち食いうどん屋でサラリーマン風の二人が券売機の前で「どうぞどうぞ・・・」をやっている。その店の券売機は一台しかないので、後から来たお客さんがイライラしながら待っている。私はたぬき(きつねそば)をすすりながら、その様子を見ていた。取引先同士なのだろうが、立ち食いうどん屋でやるのはいかがなものかと思いつつも、待っている人に気づけないほどのバカと見た。早い・安い・美味い?が取り柄の立ち食いである。待っている人が怒り出す瞬間を期待したのだが、大将の「もう食わんでええから出て行って」の一言が飛んできたときは、なんとなく胸がスカーっとした。

 店でもオバチャン二人組によく見られるのだが、「ここは私が払いますから・・」「いえいえ私が・・・」の応酬。
 私はどちらから頂こうと関係の無い話なのだが、心の中では「じゃあ両方からもらいましょうか」と叫んでいる。貧乏が思わせる台詞である。

 私は何時も、どうぞどうぞの精神を忘れたことはない。
 何杯でもお代わり自由ですから。
 ただし、伝票には付けさせていただきますが(笑)

#徒然なるままに

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