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オリジナルブレンディッドウイスキー(その2)

 WSJさんを訪れたが挨拶もそこそこに、さっそくブレンディッドをする作業場?本来は倉庫に移動。最初に頂いたレシピについて尋ねたら、WSJの方は「しっかりしたウイスキー」を目指してレシピを作ったとのこと。私は「ライトでスムーズで華やかなウイスキー」を目指したい意志を伝えた。

 まずは、レシピにある中で飲んだことのないモルトウイスキーの試飲から始める。今回は1本で済んだので、3分ぐらいの作業である。美味いのでお代わりしたかった(笑)。

 次はいよいよブレンドの開始である。最終的に20〜30リットルを作る予定で作業を進めることにした。
 絶対に使う酒のボトルがずらりと並ぶ。その後ろに、入れるか入れないかを試していくべき酒瓶が林立する。これだけ並んでいたら、ちょっとしたバーカウンターである。
 あまりにサンプルが少なすぎるとメスシリンダーでは正確に計ることができないので、400mlを目指して作ることにした。グレンウイスキー代わりのブレンディッドウイスキーと、追加するモルトウイスキーの比率がほぼ1:1になるはずなので、200mlのベースを計り瓶に移す。次に、頭でブレンドして絶対に邪魔にならないものから順に5種類のモルトウイスキーを、予定の比率に応じて追加していく。
 ここで休憩。一度よく混ぜ合わせて試飲する。ベースよりは美味くなったが、なんとも頼りなさ過ぎる出来映えである。もっとも重要な点だけはクリアしていたのでこれでよい。ここで嫌な香りが少しでもしたら一から考え直さなければなららくなるのだが、頼りないのはその後に追加する酒でフォローすればよいのである。
 ここまでは順調に作業が進む。

 ここからが、仕上がりを決定付ける重要な行程である。癖の強いモルトウイスキーを追加していくのだが、加えることはできても引くことは出来ないので、気を引き締めて進めていくことに。ここから先は作り直す可能性も考え、ここまでブレンドしたものを少しグラスに移して作業する。メスシリンダーからメスピペットに持ち替えて、電卓を片手に量を計算して少しずつ加えては試飲を繰り返して微調整していく。
 最終的には私が判断するのだが、WSJの皆様やたまたまそこに居合わせた方にも試飲をお願いして、意見を聞きながらの作業が続く。癖の少ない物から順に加えていくのは、モルトウイスキーの試飲会で飲む順番と同じである。加えすぎたと言ってはやり直し、癖が強くなりすぎたと言ってはやり直しの連続。といっても数回で、最後の仕上げを残して再度休憩。
 自分の舌と鼻を休めないと、微妙な味や香りを解析できなくなってきた。

 最後は、アイラを加える作業である。前日の日曜日に「モルトを楽しむ会」でさんざん飲んだ後だけに食傷気味ではあったが、ここでミスする訳にはいかない。
 あまりガツン系は加えたくなかったので、某蒸留所のものを加えてみたところ、1発OKとなった。
 出来上がったレシピ通りに樽にドクドク放り込む作業はお願いして、作業終了と相成った。

 樽の中でどこまで旨味を増してくれるかは、バッカスのみぞ知る。
 9月上旬には、落ち着いた上に少しは熟成も加わった状態で届く。
 それまで初めての女性とデートする日を待っているかのような、期待と不安を併せ持った日々を楽しみたい。

#ブレンディド

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