今回はタックスシールについて
イタリアではウィスキー等のお酒のボトルに対して
「このボトルはちゃんと税金を納めましたよ」という証明証をつけます。
欧州でイタリア以外にこのような形態をとっている国はなく、
イタリア特有のものです。
それが「タックスシール」と呼ばれるもので、
現在でも青いシールが使われていますが、
ものによってあったりなかったりする場合もあります。
2000年代後半以降の青いタックスシール。
もうちょっと古いもの 90年代中頃~2000年代中頃
赤と青のラベル
2つ星(ツースター)と呼ばれる、マークが2つ入ったものが使われていました。
(ボトルトップのマークは星に見えないデザインですが星と呼ばれています)
1975年~90年代中頃
2つ星(ツースター) 赤とオレンジのラベル
↑ 特にマークは入っていない。
1960年代初期~1974年は、
3つ星(スリースター)と呼ばれるマークが3つあるものを使用。
litri 3/4 や、litri 0.750 などの表記があり、流通時期が異なると言われていますが、
これらの表記は2つ星(ツースター)にもそれぞれあるので、
この表記に関しては私はあまり気にしないようにしています。
↑ 見えにくいですがトップと同じマーク
しばしばオールドボトルの流通時期の判定の目安になるタックスシールですが、
気を付けて頂きたいのは、あくまで上記の流通年はシールのものですので、
1974年以前のボトルに2つ星が貼られていたり、
80年代のボトルに3つ星が貼られていることもあります。
これは、70年代初期以前にリリースされたボトルが
イタリアに80年代に輸入された場合や、
税関に古いシールが残っていて、後の年代で使用される場合に起こります。
税関というお役所で何年も型落ちのシールが残っていて、
それが後に使用されることがあるのか、と疑問に思われるかもしれませんが、
以前、日本にサマローリ社のベテランスタッフの方が来日した際に
話を伺いましたが、
「シールはタックスマン(税務職員)しか扱えず、
先入れ先だしなんてしないから、古いシールは下のほうに埋もれてるだろう。
タックスシールに使用期限はないから、別におかしなことではない。
最近はそんなことはないかもしれないが、昔はおおざっぱだったしな!」
とのことでした。まぁ、そんなこともありますよ、ってことですね。
最後に、とても珍しいヴァッレ・ダオスタ州のタックスシール。
ヴァッレ・ダオスタ州はオリジナルのシールを採用し、
通関した年が記載されているので年代特定が容易にできます。
こちらは信用度が高く、記載の年と実際の通関時期が
ズレていることはまずないと言われています。
このシールが貼られているとヴィンテージが分かって便利なのですが、
実際にはほとんどお目にかかれないレアタックスシールです。
さて、次回はこれより前の1950年代以前のTAXメタルについてです。