ここ数年和歌山県有田川の年券を購入している。でも釣行回数はおおむね3回程度。なんとももったいないようだが、かつて釣具の業界で生活させてもらったものとして浄財のつもりで買うことにしている。以前には四万十川や狩野川の年券を持ったこともあった。フィッシングベストにはそれらの古い年券がピンバッチのコレクションのようにぶら下がり、背中のメッシュの間がごわごわとしている。
学生時代にはそれこそ朝夕のまずめには必ずルアーロッドをもって山女虹鱒を釣りに出かけた。秋にはイトウ冬はアメマス。当時の十勝にはまだまだ足跡のないポイントがいくつもあった。年間200日は釣場に出かけ毎日数投ルアーを投げた。毎日行くようになるとポイントも魚も熟知しているので一つのポイントで3投もすれば食い気が無いのか魚がどこかに出かけているのかそのどちらかということが分かるようになったものだ。だから実際良く釣れた。イトウを一日3本釣ったこともある。
今はだめだ。年に3回ほどだと毎回入るポイントも違うのでそこに魚がいるのかいないのかも分からないで釣りをしている。実ははなから釣る気などない。8時代の新大阪発の特急黒潮に乗って早速ウィスキーを取り出しちょっと引っ掛けながら仕掛けの準備をする。釣り場につくころにはうっかりするとすでに吐き気いや眠気にすら襲われる。
藤並駅でJRを降りて金屋まで路線バスに乗り、そこからオトリ屋までタクシー。だいたい正午にはオトリ屋に着く。
で、オトリ屋の親父に冷たい缶ビールをいただく。これがうまい。別に釣りなどしなくとも良いような気持ちにもなるが一応竿を出す。水中糸は一昨年のものだが気にしない。好ポイントは入れないが、朝からの釣り人がだれてくる時間帯で足元のチャラで結構かかる。
だいたい2時間で10匹前後かけて帰途に着く。帰りもタクシーだが時にオトリ屋のお嬢さんに自家用車で藤並駅まで送っていただける幸運もある。
自分では優雅な釣りだと思っている。少なくともつりに支配されてはいない。若いころはまさに夢中でつりにのめりこんだが今は程よい関係を保つことが出来ていると思っている。
ウィスキーにものめりこむようなことはない。ほどほどとまでも行かないくらいの関係かな。
でも、今日のようにせっかくの釣行が雨にさえぎられるとちょっとフラストレーションがたまる。
そうだ!十三のマスターと行くって言っていたのに誘わなかったからばちが当たったのかも。元気になられたみたいだしそろそろ。。。
#釣