イングランドとスコットランドの国境沿い位置する歴史的な町ダンフリーズから25kmの
アナンデール蒸留所(ANNANDALE DISTILLERY)で
2015年に生み出された1樽。
まだ市場にもほとんど流通のないその蒸留所は長く、魅惑のストーリーを携えて現代に甦ったところ。前身にあたるのはそのままの同じ場所に設立された旧蒸留所。
1824年の物品税法を受け、元税官吏であったジョージ ・ドナルドの手により1830年にその歴史が始まります。その後1883年にジョン・ガードナーが買収。続く10年間で同氏が大幅な更新と進化をもたらしました。更には次のオーナーとなるメジャー、ジョン・ウォーカー&サンズ社によって運営が続けられました。
しかしながらその栄華は1919年に休止、1921年には閉鎖となるなど約1世紀の歴史が進むなかで幕を下ろします。長い眠りについた旧蒸留所は新たなオーナーに買い取られ、数年間製麦工場として余生を送ってきました。
それから90年余りの時を経て、現オーナーであるデイヴィッド・トムソン教授がロビンソン一家より土地と建物を買い取り、長い眠りから再び覚醒の時を迎えます。
ついには2014年にトムソン教授に由縁のある蒸溜所コンサルタントのジム・スワン博士、キルホーマン蒸溜所でマネージャーとして活躍したマルコム・レニー氏を中心に再建が果たされ、復活が現実のものとなりました。
現在、スコットランド全域で蒸留所の開設ラッシュが起こっていますが、長きに渡り閉鎖され、その建物、設備を用いて復活を果たすケースは極めて少なく、閉鎖された他蒸留所の一部が使用されるなど再建にも興味をそそるストーリが散りばめられています。
現在はウォッシュスチル1基とスピリッツスチル2基を構え、現役の蒸留所のなかでも珍しい生産体制を採用。
蒸留所の歴史を踏まえてピーテッド(45ppm)とアンピーテッド両方の原酒が生み出さており、ダグラスファーの発酵槽やジョン・ウォーカー&サンズ時代にさかのぼるダンネージ式のウェアハウスも保有する、オーナーのこだわりが貫かれたクラシックなスタイルによるウィスキー造りが行われています。
近年のスコットランドで多くの蒸留所が開設、再稼働を果たし話題となっていますが、同蒸留所はボトラーなどの現地のプロフェッショナルの間での
評価の声も多く聞かれる注目の存在。
同じくローランドに本拠をもつADラトレー社のコネクションにより確保された1樽をこれまでのリレーションシップから特別に譲り受けることができました。
同社とインポーターの特別な協力もあり、今年の2月に丸3年を迎えたばかりの2015年に蒸留されたアンピーテッド原酒が遂に日本初上陸。
蒸留所・ボトラー・インポーター・弊社のリレーを経た貴重な原酒はプライベートボトル史上最短熟成でありながら、歴史を超えたローランドモルトの味わいを感じさせ、グラスの中で豊かな表情をじっくりと堪能することができます。
先行公開以来、現地の評価を投影するように、世界中の多くのみなさまより好評と期待を寄せて頂いております。
『ローランドで再興を果たしたアナンデール。世界でも未だほとんどボトリングされていないウィスキーシーンの最先端の真価をぜひご体感下さい。』
—Tasting Note —
【香り】バニラ、新木由来のナツメグにホワイトペッパー、クローヴのスパイス新品の皮製品、奥から干草やハーブの香り。
【味わい】口に含むとフルーツキャンディー、キウイフルーツ、甘い柑橘果実、ローランド特有の甘さからエールビール、炭火で焼いたポークハンバーグにパイナップルソース。徐々にドライに変化する。
【フィニッシュ】フィニッシュはジンを連想させるハーバルなボタニカル、リコリスとややスモーク、ジンジャーのスパイスが長く続く。
【コメント】スコットランド最南端の1つ、90年の眠りから目覚めた蒸留所をご案内。
(Tasted by 弊社スピリッツバイヤー 北梶)
1868年に設立 されたデュワー・ラトレー社 は、当時数多くのウイスキーブランドの正規販売代理店として活 動。現在では、モリソンボウモア社を経営していた“モリソン・ファミリ ー”の所有となっています。
リリースの度に完売のボトルが相次ぎ、、他ボトラーに真似の出来ないコストパ フォーマンスの高いリリース力はラトレーの自慢。
経営からは手を引けども、オーナーであるモリソンファミリーのコネクションを 感じさせる、抜群なクオリティの高い安定感は世界中のウイスキーファンからの支 持を集めています。
2017年いよいよグラスゴーで自社蒸留所となるクライドサイド蒸留所も稼働を開始。さらに人気と注目を集める鉄板ブランドです。
右:ティム・モリソン氏
左:弊社スピリッツバイヤー 北梶
(2017年11月クライドサイド蒸留所 にて)