DUNCAN TAYLOR & BAR STAG
OLD PULTENY 1977
(オールドプルトニー1977)
Aged 28 Years
700ml 57%
Distelled; 1977
Bottled; 2005
BAR STAG
10th ANNIVERSARY
2005 February 1st
”Selected by Tomoaki Wasai”
オススメ度(10)
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
香り:最初は上面に若干刺激を感じるが、すぐにスウィートな麦、そしてバニラ、ものすごいクッキー感を感じる。
滑らかで本当に上品な甘い香りは、ホットケーキやスポンジ生地、奥から時間とともに柑橘系っぽさも少し出てくるようになる。
アクセントはオーク香だが、生木っぽさもなく過度な栗の渋皮感もない、非常にきれい。
よく陽のあたるキッチンでクッキーを作っているよう。ずっと嗅いでいたい。
味:口の中での広がりはやや勢いがあり、乾燥した木、そして上品なバニラ感、クッキーの甘さがはっきりと。
味は香りからの期待を裏切らなかった、まるでこれはモルトのクッキーだ。徐々に微量だが白桃も出てくる。
ボディもしっかりしており、それでいて57度という度数を感じさせない滑らかさ、やわらかさ。すばらしい広がり。
鼻抜けは若干の木材とバニラ、余韻はじわじわと口の中にスウィートな麦感が残り、ほんの少し柑橘系のフルーツ感を伴って長く続く。
コメント:小倉のBARスタッグさんにて。BARスタッグさん10周年の記念ボトル。
今回、スタッグさんに行くにあたって事前にウェブサイトで下調べをしていたところ、目に留まった興味深い一本。
オールドプルトニー
28年 57%
STAGオリジナルボトル
とだけ書かれており、おそらくどこからか買い付けた記念ボトルなんだろうけど、プルトニーってチョイス渋いなオイ!
と、非常に気になっており、かつ何か予感じみたものを感じて「これは飲まないと・・・」と心に決めていました。
結果、その予感は正しかったわけです。
通常、プルトニーというと”海””塩”という要素が頭に浮かび、”上品なバニラ”は第一位に出てこないように思います。
私自身そこまでプルトニーを飲めていませんが、これはぶっ飛びました。
聞くところによると、モノの買い付けはダンカンテイラーから。
いわれてみれば、若干出てくるフルーツ感は、言われてみるとダンカンテイラーっぽいところもあるなーと思います。
でもダンカンテイラーなんてどこにも・・・
と思ってウラを見ると、ラベルのウラに印刷してあるという、なにこの人見知りする扉の影に隠れた子供っぽさは。
「ダンカンテイラーは照れ屋なのか?」
ダンカンテイラーからの買い付けってだけでもすごいですが、ひと樽すべてを買い付けたわけではなく、
あまり詳しく聞いてはいませんが、樽の中の上澄みだけをボトリングしたそうです。
以下、素人考えですが、上澄みということは空気との接触面にあたります。
樽の影響だけでなく、空気による変化が大きかった場所です。さらに、塩分を含んだ水と含んでない水では、
完全に混ざり合わなければ塩分を含んだ水のほうが下に来るでしょう。
よって、塩系のフレーバーの濃い薄いが樽の中の上下で多少なりとも差がでており、
さらに空気との接触による変化で、上面により多くのまろやかさが生まれていたとしたら・・・
このプルトニーのすばらしいフレーバーに、納得してしまう推論のように感じます。
大変すばらしいボトルをありがとうございました。
#プルトニー