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グレンロセス12年 1980年代後期

グレンロセス12年
43度750ml
1980年代後期ボトル

オススメ度
☆☆☆☆☆

香り:トップノートは甘い麦シロップ。続いてカラメル、たまり醤油飴、
奥から少々のミント、ほのかにシェリーによるベリー感、後半、グラス側面からミートソースのような香り。

味:麦芽とシェリーの甘さ、メイプルシロップ、カステラ、イチゴジャム感もある。
しっかりしたボディだ。余韻は鼻抜けに麦の香ばしさ、心地よいスパイス感、ビターでややドライ

コメント:福岡の某BARにて。なんだか知らないけど進められて飲んだグレンロセス。
やや透明感のあるシェリー感に、ビターでミントな印象が残っているボトル。
原酒のほとんどがブレンドにまわされているグレンロセスは、オフィシャルは厳密に言うと存在せず、
BBR社によるボトリングで販売されている丸型のボトルが半オフィシャル扱いになっている。

グレンロセスといえば、ウォッシュバックを木製のモノから近代的なステンレス製に変えたところ、原酒の味が変わってしまったのでオレゴン松製の木製に戻したという逸話がある。

いい話だと思う。
ステンレス製のほうが断然手入れは楽だし、効率的だが、やはり物事は効率だけでは語れない。

後に蒸留されてしまうとはいえ、発酵槽が原酒の味に与える影響は少なからずあると思われる。
発酵槽が木の場合、その木の中に乳酸菌を主体として色々な菌が住み着く。もちろん清掃は行われているが、それでも100%菌が死ぬわけではない(これがステンレス製の場合、木製以上に100%に近い殺菌が行われてしまう)。
そしてこの菌達が、新たに加わった酵母と共に麦汁をかもすことで、くさやの漬け汁のような、使えば使うほど味が出る、そんな感じで出来上がる原酒に深みを与えてくれるのである。

このプロセスを科学的に見ることは簡単だろう、しかしどの菌がどう味に影響したか、それを細かに分析して解明することは、そうやすやすと出来るものではない。

推測と結果論でしかわからない違い。
それは熟成と同様に、神のみぞ知る世界。
言うなれば”神秘”、そして神秘のままそれを尊重する職人気質。

一応理系の人種であるくりりんですが、
やはりこういった“職人気質”には、理屈抜きで心惹かれてしまうのです。

#グレンロセス

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